お風呂のリフォーム徹底解説!戸建てとマンションで異なる費用や補助金の活用法を解説
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日々の暮らしの中でお風呂に関する不具合や使いづらさは、小さなストレスの積み重ねになります。
寒い冬場に床が冷たい、掃除がしにくい、浴槽が狭いといった悩みは、多くの家庭で共通するものです。
しかし、いざお風呂のリフォームを考えるとなると、「何から始めればいいのか」「どのくらい費用がかかるのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、お風呂のリフォームに関する基礎知識や費用の目安、また失敗しないためのポイントについて詳しく解説します。
さらに、リフォーム時に利用できる補助金や助成金についても紹介しますので、ぜひご自身のリフォーム計画に役立ててください。
お風呂のリフォームを始める前に知っておきたい基本情報
まずは、お風呂のリフォームを検討する際に必要な「タイプ」と「費用」の基礎知識について説明します。
お風呂には主に「ユニットバス」と「在来浴室」の2つのタイプがあり、それぞれに特徴があります。
バスルームには2つのタイプがある
「ユニットバス」と「在来浴室」の2種類について、それぞれの特徴を下の表にまとめました。
ここでいう「ユニットバス」とは、「トイレとお風呂が一体になった間取り」のことではないのでご注意ください。
あくまでも「ユニットバス」という規格名だと考えてもえばOKです。
項目名 | ユニットバス | 在来浴槽 |
---|---|---|
壁の素材 | パネル | タイル |
床の素材 | 樹脂、FRPなど | タイル |
特徴 | 工場で加工した部材を現場で組み立てる | 職人が現場でいちから加工、施工する |
メリット | 工事期間が短い 施工が比較的簡単にできる | オーダーメイドで自由度が高い |
デメリット | 規格の商品からしか選べない 既存の浴室より小さくなる場合がある | 費用が高い 工事期間が長い 冬場が寒い |
ユニットバスとは、工場で規格化された部材を現場で組み立てるタイプのお風呂です。
規格品から選ぶため自由度が低くなりますが、現在の主流は「ユニットバス」で、工期が短く、施工が比較的簡単でコストも抑えられるのがメリットとなります。
リフォームに関しては、どちらのタイプであっても問題なくリフォームできます。
戸建てとマンションで異なるリフォーム費用
お風呂のリフォームにかかる費用は、戸建てとマンションで異なります。
一般的には、マンションの方が費用が高くなる傾向にあります。
その理由の一つが、使用されるユニットバスのシリーズの違いです。
費用が異なる理由
マンション用のユニットバスは、建物の構造に合わせて設計されています。例えば、基礎部分の高さが異なるため、ユニットバスを支える足の長さが戸建て用と比べて短く作られています。
このような構造の違いが影響し、同じメーカーで同じグレードのユニットバスを選んだ場合でも、マンション用の方が10〜20万円ほど高くなることが一般的です。
また、お風呂のリフォーム費用は、選ぶタイプやオプションによっても大きく変動します。予算を抑えたい場合は、不要なオプションを省くことが重要です。
お風呂のリフォームを成功させるためには、事前の計画と情報収集が欠かせません。「どのメーカーの商品を選ぶべきか」「どの業者に依頼すればよいか」など、分からないことが多い場合は、リフォームに関する相談窓口を利用するのがおすすめです。
たとえば、「SUUMOリフォーム」などの大手サイトでは、無料でリフォームの相談をすることができます。プロのアドバイザーに相談することで、予算や希望に合ったプランを提案してもらえるでしょう。
ユニットバスからユニットバスへのリフォームを徹底解説
ユニットバスからユニットバスへのリフォームは、もっとも一般的なリフォームケースのひとつです。このタイプのリフォームを検討する際、特に気になるポイントとしては以下の点が挙げられます。
- リフォーム費用や工事期間の目安
- 作業の具体的な流れ
- リフォーム時の注意点や特有の問題
これらのポイントについて、一つずつ詳しく解説していきます。
リフォーム費用の目安
ユニットバスからユニットバスへのリフォーム費用は、一般的に50万~200万円が相場とされています。
費用は選ぶメーカーや製品のグレード、オプションの有無によって大きく変動します。
たとえば、パナソニックの家庭用スタンダードモデル「オフローラ」の場合、一坪タイプのベースプランの価格は約106万円(執筆時点)です。
費用を抑えたい場合、賃貸住宅用のシンプルなモデルを検討する方法もあります。
しかし、賃貸用モデルは断熱性能や設備面で差があるため、快適性や耐久性に不安が残る場合もあるでしょう。
価格だけで決めずに、さまざまなメーカーの製品を比較検討し、自分に最適なプランを選ぶことが大切です。
チラシ業者への依頼時の注意点
リフォームを検討していると、自宅のポストに「近隣の安い工務店」からのチラシが届くことがあります。費用面では魅力的に見える場合もありますが、いくつかのリスクが伴うことを理解しておきましょう。
チラシ記載の金額は最低限の工事を基準にしていることが多く、実際には換気設備や浴室の大きさの違いにより、追加費用が発生する場合があります。
また、大手業者と比較すると、施工技術や保証の面で不安が残ることもあります。
チラシだけで依頼先を決めるのではなく、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
信頼できる業者を見つけるためには、「SUUMOリフォーム」などの大手相談サイトを活用するのも有効な方法です。
工事期間の目安と具体的な作業の流れ
ユニットバス交換のみに必要な工事期間は、通常4~5日程度です。
ユニットバスからユニットバスへのリフォームは、施工スピードが早くコストも抑えやすいのが特徴です。
ただし、追加工事やオプションを選ぶ場合、工期が延びることがあります。
代表的な例は以下のとおりです。
- 組み立てに時間がかかる上位モデルのユニットバスを選んでいる
- 通常の換気扇から暖房換気乾燥機へ切り替える
- 洗面台の一時的な取り外しが必要な間取りである
おおまかな作業の流れ
工事の流れ
- 1日目: 養生作業、既存浴室の解体作業
- 2日目: 水道配管や電気配線の加工工事
- 3日目: ユニットバスの組み立て作業
- 4日目: 水道・電気の接続工事
- 5日目: 大工工事や補修、清掃作業
通常、4日目の作業が終了すれば新しいユニットバスが使用可能になるため、その日の夜にはお風呂に入ることができます。
たとえば、月曜日に工事を開始した場合、木曜日の夜には新しいお風呂が完成するスケジュールが一般的です。
なお、工事期間中に常に自宅にいる必要はありません。
しかし誰か1人でも在宅していれば、細かい確認がお互いにすぐできるメリットがあるともいえます。
仕事先や家族と相談しながら、調整してみると良いでしょう。
リフォーム時の注意点
リフォームを進める際には、以下の点に注意してください。
- 作業中の騒音:特に解体作業を行う1日目は大きな音が出るため、近隣住民への事前挨拶が必要です。
- 一時的な水道停止:水道配管の作業時に短時間水が使えなくなることがあります。
- クロス張り替えの必要性:浴室のドア周辺の壁紙が剥がれる場合があるため、張り替え工事が必要になることがあります。
また、間取りによっては洗面台の一時的な移動が必要な場合もあるため、事前にリフォーム業者としっかり打ち合わせを行いましょう。
マンションリフォーム特有の注意点
マンションでリフォームを行う場合、管理組合への事前申請が必要です。
管理規約によって共用部分の使用ルールが細かく定められているため、これを守らないと工事が中断される可能性があります。具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 廃棄物の仮置き場所のルール(駐車場は可でも共用廊下は不可の場合が多い)
- エレベーターの養生方法(養生テープの貼り方が指定される場合がある)
- 作業時間の制限(通常9:00~17:00の範囲内で作業する必要がある)
管理会社との連携をスムーズに行うことで、工事も円滑に進められます。
洗面所もまとめてリフォームするメリット
ユニットバスのリフォームを行う際に、洗面所も一緒にリフォームするのはおすすめです。
たとえば、以下のような工事を同時に行うことで、別々に工事を依頼するよりコストを抑えられます。
- 洗面台の交換
- 壁紙(クロス)の張り替え
- 床材の張り替え
ユニットバスと洗面所を同時にリフォームする場合、工期は通常5~6日ほどが目安です。将来的に洗面台の交換を検討している場合は、まとめてリフォームする方が効率的で費用も節約できます。
在来浴室からユニットバスへのリフォームする場合
築年数が経過した戸建て住宅では、在来浴室を使用しているケースが多く見られます。
こうした在来浴室をユニットバスへリフォームする場合、費用や工事内容が大きく異なるため、しっかりと計画を立てることが重要です。
以下では、リフォーム費用の目安や工事の流れ、注意点などを詳しく解説します。
リフォーム費用の目安
在来浴室からユニットバスへのリフォームにかかる費用は、一般的に100~300万円程度です。
ユニットバスからユニットバスへのリフォームと比べて高額になる理由は、在来浴室特有の工事が追加されるためです。
特に次のような工事が必要となるケースが多いです。
- 基礎や土間打ち工事:ユニットバス設置のために必要な安定した基盤を作ります。
- 換気設備の配管工事:湿気を効果的に排出するため、換気性能を向上させます。
- 窓周りの工事:既存の窓の位置やサイズに合わせて調整を行います。
基礎工事はほぼ必須であり、この工程が費用を押し上げる大きな要因となっています。また、在来浴室の解体は手間がかかるため、解体費用もユニットバスより高額になることが一般的です。
工事期間の目安
在来浴室からユニットバスへのリフォーム工事は、通常6~7日程度かかります。
工事期間が長くなる理由は、工程が多く、解体後に想定外の事態が発生しやすいためです。
イレギュラーが発生しやすい理由
在来浴室は、家を建てた時期やハウスメーカーによって施工方法が異なります。そのため、解体して初めて分かる問題が生じることも珍しくありません。たとえば、予想以上に劣化が進んでいたり、構造部分の修繕が必要になったりすることがあります。
工事期間中は自宅のお風呂が使えないため、近くの温泉や銭湯を利用する準備をしておくと安心です。
また、予期せぬ事態に備え、工期には余裕を持たせてスケジュールを組むことをおすすめします。
おおまかな作業の流れ
在来浴室からユニットバスへリフォームする際の作業の流れは以下の通りです。
- 1日目:養生作業、既存浴室の解体
- 2日目:水道配管と電気配線の加工工事
- 3日目:基礎打ち作業(コンクリートなどで安定した土台を作成)
- 4日目:ユニットバスの組み立て
- 5日目:水道や電気の接続工事
- 6日目:ユニットバスのドア取り付け
基礎工事以外の工程は、ユニットバスからの交換工事とほぼ同じ流れです。
ただし、オプションの追加によって工期が延びる場合もあります。
たとえば、天井に暖房換気乾燥機を設置する場合や、防音対策のための追加工事を行う場合などです。工期については、事前に業者としっかり確認しておくことが重要です。
リフォームする際の注意点
在来浴室からユニットバスへのリフォームでは、いくつか注意すべきポイントがあります。
その中でも特に重要なのは、サイズに関する問題です。
サイズの注意点
在来浴室はオーダーメイドで設計されているため、空間を最大限に活用できる設計になっています。一方、ユニットバスは規格サイズが決まっているため、元の浴室よりも狭くなる可能性があります。特に以下のような特徴を持つ在来浴室では、ユニットバスで対応できない場合があります。
- 窓が二面以上ある
- 短辺が極端に短い長方形の形状
- 天井の勾配がきつく、一部が規格サイズを満たしていない
こうした場合、ユニットバスの選択肢が限られるため、建築の専門家に相談しながら進めることが重要です。
浴槽を選ぶ際のポイント
お風呂のリフォームを考える際、テレビやカタログで見た理想的な浴槽をイメージしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、浴槽選びには形状や素材、さらにオプションの選択肢まで多くの要素が関わります。そのため、事前にしっかりと情報を把握しておくことが大切です。
ここでは、浴槽を選ぶ際に知っておきたいポイントについて詳しく解説します。
主な浴槽の形状と大きさ
浴槽の形状は大きく分けて「ストレート型」と「ワイド型」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、生活スタイルに合ったものを選びましょう。
ストレート型の特徴
ストレート型は浴槽の縁がまっすぐで、上から見るときれいな長方形をしています。この形状は容量が大きく、たっぷりとお湯をためることができるのが特徴です。そのため、湯船にゆっくり浸かりたい方や、長湯を楽しみたい方に向いています。
ワイド型の特徴
一方、ワイド型は浴槽の縁が洗い場側にせり出しているデザインが特徴です。浴槽内が広く設計されており、小さなお子さんと一緒にお風呂に入るご家庭や、ゆったりとしたスペースを重視する方に適しています。
浴槽を選ぶ際には、カタログの写真だけでなく、実際にショールームで広さや使いやすさを確認することをおすすめします。
特に浴槽内の段差や手すりの有無は、実際に使ったときの快適さに大きく影響します。具体的なイメージを持っておくことで、理想に近い浴室を実現しやすくなります。
素材による価格と特徴の違い
浴槽の素材も選ぶ際の大きなポイントです。素材によっては価格に20万円以上の差が出ることもあります。現在主流となっている素材は「FRP」と「人造大理石」の2種類です。
項目名 | FRP | 人造大理石 |
---|---|---|
概略 | 昔から使われている | 近年主流になりつつある |
材質 | 繊維強化プラスティック | 人造大理石 |
メリット | 価格が安い 軽くて耐久性が高い | 傷に強い 汚れがつきにくい |
デメリット | 年数が経つと黒ずみ、黄ばみがつきやすい | 価格が高い |
予算に余裕がある場合は、より長くきれいに使える人造大理石を選ぶのがおすすめです。
浴槽の標準仕様がどちらの素材になっているかは、メーカーや製品のグレードによって異なります。購入を検討する際には、カタログやプランニングガイドを確認して、仕様をしっかり把握しておくことをおすすめします。
オプション機能の選び方と費用
浴槽にはさまざまなオプション機能を追加することができます。追加費用は1万円から30万円程度と幅広く、選ぶオプションやモデルによって異なります。
たとえば、TOTOの「楽湯」というオプションは、肩や腰回りからジェットバスを噴射する機能があり、自宅で温泉気分を味わえると人気です。
ただし、このオプションの追加費用は約20万円と高額で、取り付け可能なモデルも限られています。
オプションを選ぶ際には、価格と機能のバランスを考慮することが重要です。
ショールームを訪れる前に予算をしっかり決めておくことで、オプションの優先順位を明確にしやすくなります。また、実際に体験できるショールームでは、機能を確認しながら選ぶことで後悔のない選択ができるでしょう。
浴室リフォームで利用できる補助金・助成金について
リフォームにはまとまった費用がかかるため、補助金や助成金を活用して少しでも負担を軽減したいと考える方も多いのではないでしょうか。
特に浴室のリフォームでは、適切な情報を事前に収集することで、補助金や助成金を利用してお得に進められる可能性があります。
ここでは、浴室リフォームで使える補助金・助成金について詳しく解説します。
補助金が対象となる工事の例
浴室リフォームにおいて補助金が使える工事は、主に「バリアフリー化」や「エコ設備の導入」に関連するものです。具体的には次のような工事が対象となることが多いです。
- 入口の段差解消:高齢者や足腰の弱い方が転倒を防ぎやすくなります。
- 手すりの取り付け:安全性が向上し、安心して入浴できる環境を整えます。
- 節水水栓の取り付け:エコ効果が期待でき、毎月の水道代の節約にもつながります。
これらの工事が補助金の要件に該当するかどうかは、自治体や制度ごとに異なりますので、事前に確認しておきましょう。
介護保険を利用した補助金制度
介護保険を活用すれば、要支援・要介護認定を受けている方がいる家庭では、住宅改修に対して補助金を受け取ることが可能です。この制度は、浴室リフォームにおいても活用できる場面が多くあります。
補助金が対象となる浴室リフォームの例
- 手すりの設置
- 入口や床の段差解消
- 介護しやすい浴槽への交換
- 滑りにくい床材への変更
特に、一般的なユニットバスへの交換工事でも条件に該当する可能性があるため、積極的に活用するとよいでしょう。
申請の流れ
- ケアマネージャーに相談:対象となる工事や手続きについて相談します。
- 申請書類の提出:必要な書類を自治体の担当部署へ提出します。
- 工事の着手・完成:申請内容に基づいてリフォームを実施します。
- 補助金の支給申請:工事後に補助金の支給申請を行います。
介護保険を利用する場合、工事着手前に必ず申請を行う必要があります。詳しい条件や手続きはケアマネージャーや自治体の窓口に相談してください。
自治体独自の補助金・助成金制度
自治体によっては、独自に補助金や助成金を設けている場合があります。
たとえば、福岡県北九州市では「空き家リノベ補助」事業を推進しており、一定の耐震性能を備えた中古住宅の購入者に対して最大40万円の補助金を支給していました(※予算額に達したため現在は終了)。
自治体独自の補助対象例:
- 高断熱浴槽を備えたユニットバスの設置
- 内窓の設置による断熱性能向上
こうした自治体独自の制度は、国の制度では対象外となるケースでも補助を受けられる可能性があります。自治体のホームページや広報誌を定期的に確認して最新情報を入手しましょう。
国の補助金・助成金制度
国が提供する補助金制度も、浴室リフォームに利用できる場合があります。「こどもエコすまい支援事業」はその代表例で、リフォーム費用に対して最大60万円までの補助を受けられる制度です。
補助対象となる設備例
- 高断熱浴槽……27,000円/戸
- 節湯水栓……5,000円/台
- 手すりの設置……5,000円/戸
- 段差解消……6,000円/戸
- 廊下幅等の拡張……28,000円/戸
この制度では、高断熱浴槽や節湯水栓など、省エネ性能を高める設備が対象となります。
2022年12月16日には要件が緩和され、工事着手日が2022年11月8日以降であれば対象になるようになりました。ただし、要件緩和によって予算が早期に終了する可能性もあるため、早めの対応が重要です。
申請方法の流れ
「こどもエコすまい支援事業」については、交付申請の受付が令和5年3月下旬から開始される予定です(※2022年12月時点)。
申請手続きの詳細は国土交通省や事業の公式サイトで随時発表されますので、最新情報を確認しましょう。
お風呂のリフォームでよくある失敗例とその対策
お風呂のリフォームは快適な生活を実現するための重要な工事ですが、計画不足や判断ミスによって失敗してしまうケースもあります。
事前に失敗例を知り、対策を考えることで、リフォームのトラブルを回避できる可能性が高まります。ここでは、よくある失敗例とその具体的な原因や対策について詳しく解説します。
1. 浴槽や浴室が以前より狭くなった
リフォーム後に「浴室が狭くなった」と感じるケースは少なくありません。この問題は、在来浴室からユニットバスへの変更だけでなく、ユニットバス同士の交換でも発生することがあります。
主な原因:
- 浴槽の形状が変更された
- 浴槽内に手すりや段差が追加された
- 天井の高さが低くなった
- ドアの高さが従来より低くなった
- 壁や床、天井を暗い色で統一し、圧迫感が生まれた
こうした要因により、リフォーム前と比べて狭さを感じやすくなる場合があります。
対策:
リフォーム前に必ずショールームを訪れ、実際の広さを体感することが大切です。同じ形状の浴室がない場合でも、近いサイズやデザインのものを確認することで、完成後のイメージを具体的に掴むことができます。また、色の選択についても明るめのトーンを取り入れることで、空間を広く見せる効果が期待できます。
2. 施工トラブルによる工事期間の遅延
施工トラブルが原因で工事が遅れると、お風呂に入れない期間が長引き、生活に不便が生じます。このようなトラブルは、主に以下のような要因で発生します。
主な原因:
- 業者との事前打ち合わせが不十分で、施工内容が共有されていない
- 契約内容と実際の施工内容が異なる
- 工事の質が低く、補修や再施工が必要になる
対策:
信頼できる業者を選ぶことが何より重要です。業者のクチコミや実績を調査し、複数の見積もりを比較することで、信頼性の高い業者を見極めましょう。
また、リフォーム前に業者と細かい打ち合わせを行い、工事内容やスケジュールを明確にしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
3. 部分的な補修で費用がかえって増加した
リフォーム費用を抑えるために、ユニットバスの交換を避けて部分補修のみを選択するケースがあります。
しかし、この方法にはリスクも伴います。お風呂は湿気が多く、劣化が進みやすい環境であるため、部分補修がかえって高額な費用を招く場合があるのです。
主な事例:
- 床の黒ずみを隠すためにシートを貼ったが、時間が経つと端から剥がれてしまい、再施工が必要になった
- 壁の一部だけを補修したが、他の部分が劣化して見た目や機能性が悪化した
対策:
部分補修を選ぶ際には、長期的な視点で費用対効果を考えることが重要です。補修で済ませる場合でも、他の箇所への影響や将来的なリフォームの必要性を見据えた計画を立てるべきです。
可能であれば、リフォーム全体を視野に入れた計画を立てることで、結果的にコストを抑えられる場合があります。
よくある質問
お風呂のリフォームを計画する際には、さまざまな疑問が出てくるものです。
ここでは、リフォーム時によくある質問に対する回答を詳しく解説します。
お風呂の入り口にある段差はなくせますか?
お風呂の入り口にある段差は、住宅の構造によって解消できる場合とできない場合があります。段差を解消できるかどうかは、マンションか戸建てかによっても異なります。
マンションの場合:
洗面所からお風呂に入る際に一段上がっている構造が一般的です。この段差は、お風呂用の配管がその部分に設置されているため、基本的に解消することが難しいです。配管を移動させる工事はスペースや費用の制約が大きく、現実的でない場合が多いからです。
戸建ての場合:
洗面所よりお風呂が一段下がっている場合、段差を解消できるケースが多いです。この場合、床の高さを調整する工事が可能であり、段差をなくしてバリアフリー化することが一般的です。ただし、家の基礎部分や配管の位置により施工内容が変わるため、リフォーム業者に詳細を確認することが重要です。
見積もりの記載内容でチェックするポイントはありますか?
見積もりを確認する際には、明細が詳細に記載されているかをしっかりチェックする必要があります。見積もり内容が曖昧な場合、施工範囲や費用に関するトラブルが発生しやすくなるためです。
たとえば、以下のような点に注意してください。
- 明細が簡略すぎないか確認する
「ユニットバス交換一式」といった表記で金額だけが記載されている場合、具体的にどの作業が含まれているか不明確です。この場合、洗面所のクロス張り替えや床の養生費、廃材処分費が含まれていない可能性があります。 - 施工範囲が明確かどうか
施工内容が明記されていないと、追加費用が発生する原因になります。例えば、「電気配線工事」「換気扇の取り替え」など、詳細な内容が記載されているか確認しましょう。 - 保証やアフターサービスについて記載があるか
工事後の不具合に対応してもらえる保証期間やアフターサービスの有無が明記されているかも重要です。
契約前に納得できるまで業者に質問し、施工範囲や料金について明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
お風呂のリフォームは、材質や形状、機能など選択肢が多く、計画に時間がかかる設備工事です。
成功させるためには、以下のポイントを意識することが大切です。
- 基本的な知識を持つ
リフォームの目的や予算に合わせた適切な選択をするために、事前に十分な情報を収集しておきましょう。 - 長期的な視点で検討する
お風呂は湿気が多く劣化が進みやすいため、少し高額になったとしても、耐久性や快適性を重視したプランを選ぶほうが結果的にコストを抑えられます。 - 業者選びに時間をかける
リフォーム業者によって価格や施工の質が異なるため、最低でも2~3社の見積もりを比較してから依頼先を決めるのがおすすめです。業者の実績やクチコミもあわせてチェックすると良いでしょう。
理想のお風呂を実現するために、事前の準備と計画が成功の鍵となります。信頼できる業者としっかり相談しながら、満足度の高いリフォームを目指してください。