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コラム

家の解体費用は?更地に戻す方法を解説

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不要になった家を解体して更地に戻すためには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

これを聞くと、予想以上に高いと感じる人も多いでしょう。

このページでは、以下のポイントについて詳しく説明します。

  • 家を解体するための費用相場
  • 解体までの流れや必要な期間
  • 安く更地にするためのコツ
  • 土地を売却のために解体することのメリットとデメリット

家を解体して更地にするのに必要な費用相場

まず、家を解体するための費用がどのくらいかかるのか見てみましょう。

木造住宅の解体費用は、最近数年で高騰しています。

多くの人が「100万円くらい」と考えているかもしれませんが、実際にはこの金額では足りないことが増えています。特に、過去5年と比べると、解体費用が1.5倍に上昇している地域もあります。

高騰の理由

  • 廃棄物処分費用の上昇
  • 国外への廃棄物輸出の制限
  • 解体工事を行う職人の人手不足

解体費用は建物の素材で異なる

では具体的にどれくらいの解体費用がかかるを説明していきます。

解体費用は、家の素材によって変わります。一般的な素材には、木造、鉄骨、RC(鉄筋コンクリート)などがあります。

それぞれの素材別に、解体費用の目安となる「1坪あたりの単価」を紹介します。

家の種類1坪当たりの費用
木造住宅25,000円~38,000円/坪
プレハブ住宅20,000円~34,000円/坪
鉄骨住宅25,000円~40,000円/坪
鉄筋コンクリート(RC住宅)38,000円~50,000円/坪
※2022年1月時点

上記は2022年時点の目安相場ですが、編集部が数年前に調べた時は以下のような坪単価でした。

ここ数年でどれだけ解体費が高騰しているわかると思います。

家の種類1坪当たりの費用
木造住宅18,000円~30,000円/坪
プレハブ住宅12,000円~20,000円/坪
鉄骨住宅12,000円~28,000円/坪
鉄筋コンクリート(RC住宅)25,000円~38,000円/坪
※2016年時点

数年前には、これらの費用はもっと低かったため、解体費用がどれほど高騰しているかが分かります。

また、解体費用は都道府県によって異なり、築年数や周囲の道路状況によっても変わります。正確な金額を知りたい場合は、見積もりを取ることが重要です。

もちろん依頼する業者によっても大きく変わるので、見積もりを取る際は必ず複数の業者で相見積もりをしましょう。

1社だけの見積りでは、その金額が高いのか安いのか判断がつかないからです。

相見積もりが初めてという人は、社団法人「あんしん解体業者認定協会」が運営している「解体無料見積ガイド」というホームページがあるので、そこを利用して比較すれば安心だと思います。

坪数ごとの解体費用相場

ここでは、30坪から50坪の家についての解体費用の相場をまとめます。

以下の費用は建物の解体費用のみで、付帯工事や諸経費は別途必要です。

ちなみに同じ30坪の平屋と2階建てでは、2階建て住宅の方が解体費が高くなりそうと思われがちですが、実際は屋根や基礎部分が多い平屋の方が高額になります。

木造住宅

家の大きさ坪単価解体費用の目安
30坪35,000円1,050,000円
40坪32,000円1,280,000円
50坪28,000円1,400,000円
30坪平屋38,000円1,140,000円

日本国内の戸建て住宅は、約6割が木造で建てられています。

鉄骨やコンクリートに比べて較的簡単に解体できるので、他の構造よりも解体費は安いです。

プレハブ住宅

家の大きさ坪単価解体費用の目安
30坪32,000円960,000円
40坪28,000円1,120,000円
50坪24,000円1,200,000円
30坪平屋34,000円1,020,000円

大手住宅メーカーが多く採用している構造がプレハブ住宅です。

工場で生産されたユニットを組み立ててつくる住宅なので、解体にそこまで手間がかかりません。

そのため解体費も比較的安価に設定されています。

鉄骨住宅

家の大きさ坪単価解体費用の目安
30坪37,000円1,170,000円
40坪33,000円1,320,000円
50坪30,000円1,500,000円
30坪平屋40,000円1,200,000円

軽量鉄骨や重量鉄骨などの種類がありますが、上記の目安は戸建てで使われることが多い鋼の厚さ6mm未満の軽量鉄骨住宅です。

重量鉄骨の住宅は3階建てに多く、解体費用としては軽量鉄骨よりも2割~3割ほど割高になると考えてください。

鉄筋コンクリート(RC住宅)

家の大きさ坪単価解体費用の目安
30坪45,000円1,350,000円
40坪43,000円1,720,000円
50坪40,000円2,000,000円
30坪平屋50,000円1,500,000円

マンションの構造などにも用いられている鉄筋コンクリートですが、戸建て住宅の場合はRC造と呼ばれることが多いです。

RC住宅はコンクリートが主体なので、解体作業も手間がかかるため高額になりがちです。

解体費用が高くなってしまうケース

アド・ホック・デザイン「福島市で2階から解体工事が進んで、手作業で解体しています」より引用

解体費用が高くなる理由はいくつかあります。以下にその要因を詳しく説明します。

1. 重機を使用できるかどうか

重機を運ぶための道が確保できれば、費用を抑えることが可能です。

しかし、重機が入らない土地にある建物の場合、すべてを手作業で解体しなければならず、その分費用が高くなります。

道幅の重要性

道が狭いと、大きなトラックが入ることができず、瓦礫の運搬にも影響が出ます。

例えば、大きなトラックであれば3回の運搬で済むものが、小さなトラックだと5回や6回の運搬が必要になることがあります。このように、道幅は解体費用に大きな影響を与える要因の一つです。

2. 付帯工事が多い

海東建設株式会社「ちょっとした小さな解体・撤去」より引用

解体工事には、建物そのもの以外にもさまざまな工事が含まれることがあります。

たとえば、駐車スペースやブロック塀の解体がそれにあたります。

これらの工事は、建物の解体費用とは別途で必要になるため、見積もりを依頼する際には、これらの付帯工事についても詳細に打ち合わせをすることが重要です。

その他にも、庭木の伐採や門扉の解体などが考えられます。

3. 建物内に残置物が多い

解体する建物内に家具や家電製品が残っている場合、これらの処分費が別途かかることがあります。

たとえば、木製のタンスやダイニングテーブルは一緒に壊して処分できますが、家電製品やソファーなどは処分費がかかります。

事前に自分で処理しておくことで、費用を大幅に抑えることができるでしょう。

4. アスベストの使用

解体見積もり広場「アスベスト解体工事とは何か?」より引用

古い建物には、アスベストという有害な材料が使われていることがあります。

アスベストが含まれている場合、専門的な技術や設備が必要となるため、解体費用が高くなります。

アスベストを含む住宅の場合、坪あたり3~5万円程度の費用がかかることが一般的です。

5. 交通量や人通りの多い場所

解体工事を行う場所の交通量や人通りが多い場合、安全確保のためにガードマンを配置する必要があります。

特に交通量が多いエリアでは、2名のガードマンが必要になることがあり、その分費用がかさみます。

ガードマンの1日当たりの費用を15,000円と仮定すると、1週間の工事で約20万円の追加費用が発生する可能性があります。

6. 住宅会社や不動産会社からの業者紹介

住宅会社や不動産会社から解体業者を紹介されることもありますが、多くの場合、これらの業者は中間マージンを取るため、割高になってしまいます。

自分で直接業者を探すことをおすすめします。業者のあてがない場合は、「解体無料見積ガイド」などのサービスを利用して、複数の会社を比較するのが良い方法です。

これらの要因を理解し、事前に対策を講じることで、解体費用を抑えることができます。

家を解体するまでの流れ

ここでは、家を解体するための手続きや工事の流れ、所要日数について詳しく説明します。

解体に着手するまでに必要な手続き

家を解体する前には、いくつかの届出書を提出して許可を得る必要があります。

通常、解体業者が代理で申請を行ってくれますが、届け出は施主本人が行うことになっています。

そのため、代理申請をお願いする場合は、委任状が必要です。

必要な手続き項目

  • 解体工事の届出書(建設リサイクル法に基づく)
  • 道路使用許可申請(必要な場合)
  • 電気、水道、ガスなどのライフラインの停止手続き
  • 解体後の登記手続き(建物滅失登記)

解体工事の流れと日数

T.O.S「解体工事の流れ」より引用

一般的に、建物の解体作業だけであれば約1週間で完了します。

しかし、庭木の伐採や駐車スペースの解体など、付帯工事が必要な場合は、2週間から3週間ほどかかることがあります。

解体工事の流れ

最近では、解体後の廃棄物処理に関するルールが厳しくなっているため、一気に取り壊すのではなく、部分的に少しずつ解体していくのが一般的です。

以下のステップで工事が進みます。

  1. 足場を組み、建物周りを養生シートで囲う
    • これにより、周囲への影響を最小限に抑えます。
  2. 屋根の撤去と家屋内の不用品の撤去
    • 屋根を取り外し、内部にある不要な物を片付けます。
  3. 建物本体の解体
    • 建物の主要部分を解体します。
  4. 廃棄物の運搬・処分
    • 解体した材料や廃棄物を適切に処理します。
  5. 地中残留物の確認と敷地の整地
    • 地面に残っているものがないか確認し、敷地を整えます。

上記の流れで工事は進行します。

作業はすべて解体業者に任せられますので、施主本人が特別に行うことはありません。

ただし、工事の流れについて疑問がある場合は、事前に解体業者に確認しておくと安心です。

安く更地にするためのコツ

ここでは、解体費用をできるだけ安く抑えるためのポイントを詳しく紹介します。

補助金や助成金が使えないか調べる

家を解体する際、地域によっては自治体から補助金や助成金がもらえることがあります。

これは、古くなった家屋の解体を促進するための支援制度です。ただし、すべての自治体で実施されているわけではありません。

以下は、いくつかの自治体での補助金制度の例です。

自治体名内容
東京都江東区老朽建築物の除却助成。上限50万円で解体費の2分の1を補助
埼玉県さいたま市建替え工事助成制度。S56.5.31以前に着工したものを新たに建替える場合。上限60万円
神奈川県横浜市建築物不燃化推進事業補助。昭和56年5月31日以前の建築物又は耐用年数を経過した建築物。上限150万円で解体費の2/3
愛知県名古屋市老朽木造住宅除却助成。上限40万円で解体費の3分の1を補助
大阪府大阪市大阪市防災空地活用型除却費補助制度。上限100万円で解体費の3分の2を補助
福岡県大牟田市老朽危険家屋等除却促進事業。上限45万円で解体費の2分の1を補助
※上記は執筆時の情報です。詳しくは各自治体に確認して下さい。

これらの補助金は、国の政策ではなく、主に自治体が独自に実施しているものです。

インターネットで調べる際は、「自治体名 + 家解体 + 助成金」というキーワードで検索すると、効率よく情報を見つけることができます。

複数の業者で相見積もりをとる

解体工事を依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。これにより、費用を安く抑えることができます。

解体工事は普段あまり行わない作業なので、相場が分からない人が多いです。

1社だけで見積もりを取ると、その金額が高いのか安いのか判断できません。複数の業者から見積もりを取り、適正な金額を確認することが重要です。

相見積もりを簡単に行うためには、「解体無料見積ガイド」を利用すると良いでしょう。これを使えば、誰でも簡単に相場を確認し、契約する前にしっかりと比較できます。

閑散期(5~6月、9~11月)に工事をする

解体業者には繁忙期と閑散期があります。

閑散期に工事を行うことで、値引き交渉が成功しやすくなります。

一般的に、閑散期は以下のように言われています。

  • 閑散期: 5月~6月、9月~11月
  • 繁忙期: 3月~4月、8月、12月

特に、5月~6月は梅雨前で工事がスムーズに進むため、値引き交渉がしやすい時期です。

一方で、9月~11月は台風シーズンで工事が長引く可能性があるため、注意が必要です。できるだけ早めに工事を計画し、閑散期を狙うと良いでしょう。

土地を売却するために解体するのはNG

家を解体したいと思っている方の中には、「土地を売却するために解体を考えている」という方もいるでしょう。

確かに、古い建物の場合、更地にして売却した方が買い手が見つかりやすいこともあります。

しかし、ここで注意が必要です。更地にするということは、解体にかかる費用を売主が負担することになります。これは明らかに「損」です。

なぜなら、売却後に買主が解体を行った場合、その解体費用は買主の負担になるからです。

仲介業者が解体をすすめる理由には、早く売れるという点の他に、解体業者を紹介して仲介手数料を得る狙いもあるため、注意が必要です。

更地にしてしまうと税金が増える可能性あり

ウェルスハック「更地の固定資産税はなぜ高いのか?」より引用

建物が残っている状態では、たとえ誰も住んでいなくても固定資産税が軽減されています。

しかし、建物を解体してしまうとその軽減措置が受けられなくなり、固定資産税が増加します。

たとえば、これまで年間5万円だった固定資産税が、建物を解体すると毎年30万円に増えてしまうこともあるので、注意が必要です。

前述のように、家を解体せずにそのままの状態で売却を検討する方が無難です。

再建築不可の土地は要注意

株式会社マーキュリー「再建築不可・接道の悩み」より引用

古い住宅が現行の建築基準法が施行される前に建てられている場合、今の法律では家を建てることができない土地である可能性があります。

たとえば、「接道」という道路との接続に関する問題があります。

現在の法律では、4メートル幅の道路に土地が2メートル以上接道していなければ、家を建てる許可が下りません。このような土地は「再建築不可の土地」と呼ばれます。

このような土地の場合、建物が残っている状態では新築はできなくても大規模リフォームが可能なので、買い手を見つけやすいです。

このことを知らずに解体してしまうと、大きな損失を被る可能性があるため、十分に注意しましょう。

そのまま売却した方が金銭面でもお得に

ここまで説明したように、「土地を売るために家を解体する」という判断は、かえって損につながる可能性が高いです。

確かに更地にすれば早く売れるかもしれませんが、金銭的に大きな損失を被るリスクがあるなら、家を壊さずにそのまま売却した方がメリットが大きいでしょう。

そのままの状態で売却できれば、解体費用がかからず、余計な手間もかかりません。

このような理由から、売却を考える際には「まずは家を残したままの状態で」という方法をおすすめします。

実際に売れるかどうかは試してみなければわかりませんが、大手ポータルサイトの「SUUMO」や「HOME4U」、不動産大手6社が運営する「すまいvalue」などを利用して全国の業者に査定依頼を出してみれば、何らかの反響があると思います。

最近では、古い家でも全面リノベーションをして自分好みにするニーズが高まっているため、売れる可能性は十分にあります。売却査定は無料で行えるので、最初から諦めずに一度試してみてください。

よくある質問

住宅の解体や土地の更地化に関して、よく寄せられる質問をまとめました。以下の情報を参考にしてください。

更地の定義は?どこまでやればいいの?

NEEDS+「更地とは」より引用

「更地」と「整地」という言葉を混同している人が多いですが、実はこれらは異なる意味を持っています。

  • 更地: 土地に建物や建築物が全くない状態のことを指します。つまり、何も残っていないまっさらな土地です。
  • 整地: 建物がなく、さらに転圧作業を行って平らに整えられた土地を指します。

解体業者によっては、この違いを説明しないこともありますので、見積もりを取る際には「更地にするのか、それとも整地にしてもらえるのか」を必ず確認しましょう。

特に、解体後に土地を売却する予定がある場合、整地された状態の方が売却査定が高くなることが多く、購入希望者への印象も良くなります。

家を解体する際に不要な家具や家電はそのままでも平気?

解体業者によっては、木製のタンスやベッドフレームなどはそのまま残しておいても問題ない場合が多いです。しかし、テレビや洗濯機などの家電製品は、自分で処分しておいた方が費用を抑えられることが一般的です。

エアコンについても同様で、基本的には自分たちで業者に依頼して、解体工事の前に取り外しておくことをおすすめします。

平屋と二階建てで解体費用に差は出る?

解体費用は、一般的に二階建て住宅よりも平屋住宅の方が高くなることが多いです。

これは、同じ面積(たとえば30坪)の家を考えた場合、平屋は屋根や基礎の面積が大きく、その分処分するための費用がかかるからです。

参考例)

  • 30坪の2階建て(1階15坪、2階15坪) …解体坪単価 35,000円
  • 30坪の平屋住宅 …解体坪単価 42,000円

地域や業者によって差はありますが、平屋は二階建て住宅と比べて1割から2割ほど高くなることが一般的です。

まとめ

今回の解説から分かるように、建物の解体工事費用は以前に比べてかなり高くなっています。

少しでも安く解体を行いたい場合は、事前に複数の業者から見積もりを取って、安く解体してくれる業者を探すことが重要です。

早めに見積もりを取って、スケジュールに余裕を持たせることで、業者側も喜ぶでしょう。解体することが決まったら、すぐに見積もりを取ることをおすすめします。

また、土地の売却が目的であれば、一旦は家を解体せず、そのままの状態で売れるかどうかを確認してみるのも良いでしょう。

最近では、古民家を全面リノベーションしたいというニーズも多いため、そのままで売れる可能性も十分にあります。