外塗装壁の料金・助成金を徹底解説!悪質業者を見抜くポイントとは?
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外壁塗装は、戸建て住宅に住む人にとって重要な課題の一つです。
外壁を定期的に塗装しないと、建物が雨漏りや劣化のリスクにさらされ、最終的には修繕費が大きく膨張する可能性があります。
しかし、「どのタイミングで外壁塗装をすればよいのか」「何から始めればよいのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、外壁リフォームに関する基本的な知識から、費用の抑制方法、助成金の活用法、そして悪質業者を見抜く方法までを徹底的に解説します。
外壁リフォームの基礎知識
外壁塗装を考える今後保留したい基礎知識について、以下の項目を詳しく解説します。
- 外壁塗装の周期
- 外壁塗装をやらないリスク
リフォーム初心者でもわかるよう、丁寧に解説します。ひとつずつ順番にみていきましょう。
外壁塗装の期間と耐使用年数
外壁材の耐用年数は、一般的には30~40年程度と言われていますが、実際の寿命は適切なメンテナンスによって大きく左右されます。
外壁塗装で使用される塗料は、雨風や紫外線から外壁材を保護する「塗膜(とまく)」を形成します。この塗膜が劣化すると保護機能が失われ、被害を受ける可能性があります。
外壁塗装の適切な期間は10~15年程度とされていますが、塗料の種類によっても異なります。
同様に、高耐久塗料を使用すれば塗り替えの期間を延ばすことが可能です。
まとまった費用がかかるため、中長期的な資金計画のなかにリフォーム代金を盛り込んでおくのが重要です。
もし外壁塗装をやらないとどうなるのか?
外壁塗装を定期的に行っていない場合、以下のようなリスクがあります。
- 雨漏りの発生:外壁が劣化すると、防水性能が低下し、雨水が室内に侵入する可能性があります。
- 外壁の劣化速度の加速:未塗装の外壁は、紫外線や雨風に直接さらされ、劣化が早まります。
- 資産価値の低下:見た目が悪化するだけでなく、建物自体の耐久性が考慮され、不動産価値が低下する場合もあります。
特に重要なのは「予防」の意識を持つことです。 外壁の劣化が進んでから修繕すると、塗装費用だけでなく、壁材や内部構造の修繕費が加算されるため、合計で大きな出費になることがあります。
深刻なダメージを受けてから修繕する方が多くの費用がかかるため、定期的な外壁塗装が必要です。
外壁の劣化を示すサインと対応方法を専門的に解説
外壁の劣化は、建物の寿命や美観だけでなく、住んでいる人の安全にも大きく影響します。
外壁の劣化を放置すると、雨水の侵襲や構造の損傷につながり、結果的に修繕費用が増大する恐れがあります。劣化の初期段階で対処するためには、外壁に現れる以下のような兆候を起こさないことが重要です。
外壁には、劣化を示すサインがいくつか存在します。
- 外壁の色あせ、コケの繁殖
- チョーキング
- クラック(ひび割れ)
- 塗装の剥離、膨れ
- シーリング材の劣化、亀裂
サインの種類を知り、まずは自分で外壁の状態をチェックしてみてください。確認して不安な場合は、手遅れになる前に一度リフォーム業者に相談してみることをおすすめします。
また、リフォーム業者選びに困った際には、「SUUMOリフォーム」などの口コミサイトを利用して信頼できる業者を見つけることもおすすめです。正しいメンテナンスで、安心して暮らせる住まいを維持しましょう。
外壁の色あせやコケの繁殖
外壁の色あせやコケの発生は、劣化の初期兆候です。外壁の状態に応じて適切な対応が求められます。
- 色あせ
日光に含まれる紫外線が塗膜を分解し、外壁の色が薄れる現象です。 特に日当たりの良い南面の壁で不安に見られます。 色あせが進むと塗膜の防水性能が低下するため、早めのメンテナンスが必要です。 - コケや藻の繁殖
日陰や湿気の多い場所に発生しやすく、見た目が損なうだけでなく、外壁材を劣化させる原因となります。 高圧洗浄や防カビ・防藻塗料の塗布が有効な対策です。
対策方法
建物全体を目視で点検し、異常がある場合は洗浄や塗り直しを検討しましょう。早期対応で費用を考えることができます。
チョーキング(白い粉の発生)
外壁を手で触った際に、白い粉が手に残る現象を「チョーキング」と呼びます。
これは、塗膜が紫外線や風雨の影響で劣化し始めているサインです。
- 原因
塗膜に含まれる樹脂が分解され、顔料成分が表面に浮き出ている状態です。 築5年以上経過した外壁で見られることが多く、塗り替えのタイミングを判断する指標となります。 - 放置リスクによる
防水機能が失われるため、外壁材自体が水分や紫外線の影響を直接受け、劣化が加速します。
対策方法
建物の四方を手で触って確認します。 白い粉が付着する場合は、塗り替えの専門業者にご相談して診断を受けましょう。
クラック(ひび割れ)
外壁のひび割れは、外部からの力や建物の経年変化によるものです。
- 種類と原因
- ヘアクラック:幅0.3mm以下の細いひび割れで、外壁表面のみ発生します。防水性能には大きな影響がありませんが、放置すると拡大する可能性があります。
- 構造クラック:幅0.3mm以上の深いひび割れで、外壁材を通過している場合があります。この場合、雨水が内部に侵入し、建物全体の耐久性を損なう危険性があります。
対策方法
深さや幅を確認し、軽度の場合はコーキング材で補修します。重大なクラックの場合は専門業者に修理補修を依頼してください。
塗装の剥離や膨らみ
塗装が剥がれたり、膨張したり現象は、塗膜の劣化や施工不良が原因でございます。
- 剥離の原因による
経年劣化、塗装前の下地処理不足、または塗料と下地の相性が悪い場合に発生します。 - 膨張の原因
外壁内部に侵入した水分が蒸発し、塗膜を押し上げて膨張する現象です。膨張した部分を置くと塗膜が激しく、水分がさらに侵入する恐れがあります。
対策方法
剥離や膨張が見られる場合、部分補修では仕方ないことが多いため、全面的な再塗装を検討しましょう。
シーリング材の劣化や亀裂
シーリング材(コーキング)は、外壁の隙間や窓枠部分を埋めている柔軟な素材で、防水や防水の役割を果たします。劣化が進み以下の問題が発生します。
- 症状
- ひび割れ、痩せ、剥離
- 硬化して柔軟性が失われる
- リスク
劣化したシーリング材は防水機能を果たさず、隙間から雨水がして外壁材や内部構造の劣化を防ぎます。
対策方法
ひび割れやズレが確認されたら、新しいシーリング材への打ち替え工事が必要です。
外壁塗装に必要な料金相場と内訳
外壁塗装は家を長くさせるために欠かせないメンテナンスですが、その費用がどのように算出されるのかを正しく理解することが重要です。
ここでは、外壁塗装の「料金相場」と「費用内訳」を専門的に詳しく解説します。
家の坪数から割り出すおおまかな目安
外壁塗装の料金は、家の延床居住や塗装によって異なります。以下は坪数別の一般的な相場です。
延坪 | 塗装面積(㎡) | 外塗装壁の相場 (万円) |
---|---|---|
20坪 | 79㎡ | 90〜100万円 |
30坪 | 119㎡ | 100〜110万円 |
40坪 | 158㎡ | 110〜120万円 |
50坪 | 198㎡ | 120〜130万円 |
60坪 | 238㎡ | 150〜180万円 |
70坪 | 277㎡ | 170〜190万円 |
- 注意点: この相場は標準的な塗料を使用した場合の目安です。高品質な塗料や特殊な工法を採用する場合、費用が大幅に増加することがあります。
- 事前準備: 建物の正確な坪数や外壁位置を計算するには、建築時の図面が必要です。図面が手元にない場合は、別途計算を行うことも可能です。
塗装面積の簡易計算方法
図面が手元にない場合でも、以下の計算式を使って塗装地域を適宜することができます。
例)一坪=3.3㎡とすると、1階と2階がそれぞれ20坪の場合
- 延床面積 (㎡) = 3.3 × (20 + 20) = 132㎡
- 塗装面積 (㎡) = 132 × 1.2 = 158㎡
この方法でおおまかな立地を把握し、料金相場と照らし合わせることが可能です。
外壁塗装にかかる費用の内訳
外塗装壁費用の内訳には以下の4つの主要項目が含まれます。
①塗料代(全体の20%程度)
- 概要: 塗装に使用する塗料の費用。 シリコン、フッ素、無機塗料など、塗料の種類や品質によって費用が異なります。
- ポイント: シーリング材や養生テープなどの消耗品費用が含まれる場合があります。
②足場代(全体の20〜25%程度)
- 概要: 足場の組み立て・解体費用と、工事期間中のレンタル費用が含まれます。
- 注意点:隣家との距離が近いなどで特殊な足場が必要な場合、追加費用が発生する場合があります。
③工事代(全体の25〜30%程度)
- 概要: 職人の人件費。塗装作業、シーリング、防水処理など、それぞれの工程に専門職が担当します。
④業者の利益(全体の30%程度)
- 概要:諸経費や工事管理費の名目で見積りに記載されることが多く、業者の利益を含みます。
具体的な見積もり例
以下は、実際の見積り例を元にした費用明細の一例です。
足場・付帯工事
作業内容 | 数量・単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|
養生費 | 一式 | – | 15,000円 |
建物洗浄 | 一式 | – | 50,000円 |
足場費 | 220㎡ | 800円 | 176,000円 |
足場メッシュシート | 220㎡ | 100円 | 22,000円 |
外壁塗装工事
作業内容 | 数量・単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|
下塗り | 200㎡ | 900円 | 180,000円 |
中塗り | 200㎡ | 1,000円 | 200,000円 |
上塗り | 200㎡ | 1,000円 | 200,000円 |
塗装費(雨樋、雨戸など) | 一式 | – | 120,000円 |
その他工事
作業内容 | 数量・単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|
シーリング交換 | 一式 | – | 90,000円 |
諸経費 | 一式 | – | 300,000円 |
消費税 135,300円
値引き −300円
合計 1,488,000円
表のように塗料代と工事代は「1㎡あたり〇〇円」として計算されている見積もりが一般的です。
また、塗装や足場以外の付帯工事にも、費用が発生します。
たとえば建物を塗装する前に汚れを落とす高圧洗浄や、車の養生などがその例です。
なお、雨樋や雨戸、玄関ポストといった付属品の塗装を、外壁塗装のタイミングで業者から提案される場合があります。
必要に応じて、箇所数と項目を検討しましょう。
外壁塗装の費用を安くするコツ
外壁塗装は住宅メンテナンスの中でも大きな出費となるため、少しでも費用を抑える方法を知っておくことが重要です。
以下に、費用を安くする具体的なコツを3つ詳しく解説します。
1.工事日程を「業者側の指定」にする
外壁塗装工事のスケジュール調整を業者側に委ねることで、費用を抑えられる場合があります。
仕組みとメリット
- 業者にとって、工事スケジュールの空白期間は無駄な時間であり、収益のロスにつながります。
- 実施主が工事日程を業者側に合わせることで、スケジュールの効率化に貢献でき、その代わりに値引きを受けられることがあります。
業者が「A工事完了後からB工事開始までの2週間空いている」とした場合、日程の合う工事を入れることができれば業者のロスが減少します。このようなケースで、日程を業者に決する条件で値引きを交渉するのは効果的です。
注意点
- 緊急の修繕が必要な場合にはこの方法は適用できません。
- 外壁塗装は屋内工事に比べて日常生活への影響が少ないため、柔軟に対応しやすいという特徴があります。
2.外壁と屋根をまとめて塗装する
外壁と屋根の塗装を一度行うことで、工事費を抑えることが可能です。
節約のポイント
- 足場代の節約: 塗装工事の費用のうち20~25%を占めて足場代は、1度の工事で外壁と屋根をまとめて行うことで1回分の費用で済みます。
- 具体的な節約額:例、200万円の工事費の場合、足場代は40~50万円程度。この費用を2回に分けて払うより、1回で考えるほうがトータルコストを削減できます。
見た目の一貫性
- 外壁のみを塗装した場合、屋根の色褪せや汚れが目立つ可能性があります。 同時に塗装を行うことで建物全体の見た目が美しく保たれます。
視点
「屋根は数年後に塗装予定」と考えている場合でも、まとめて工事をすることで、塗装費用をトータルで節約できます。
3.一括見積りサービスを活用して金額を比較する
1社だけの見積りでは提案内容や費用が適切かどうかを判断することは難しいため、複数業者からの見積りを比較することが重要です。
一括見積りサービスのメリット
- 費用の妥当性確認: 提案された金額が相場から外れていないかを確認できます。
- 工事内容の比較:同じ金額でも、使用される塗料の種類や保証内容、工事範囲が異なる場合があります。
信頼できるサービス
- SUUMOリフォーム:大手の「SUUMO」が運営する一括見積もりサービスは、厳しい審査基準をクリアした信頼できる業者のみが登録されています。
- 安心感:悪徳業者が排除されているため、初めてリフォームを依頼する人でも安心して利用できます。
注意点
- お見積もり金額だけでなく、業者の対応や口コミ、アフターサービスの内容もしっかり確認することが大切です。
外壁塗装に使用する塗料の種類と金額の違い
外壁塗装で使用する塗料にはさまざまな種類があり、性能や費用が大きく異なります。
その中で、現在もっともよく使われている塗料は「シリコン塗料」です。
塗料ごとの特徴、耐久年数、施工期間について詳しく解説します。
塗料別の耐久年数と施工単価
外壁塗装に使用される塗料は、一般的に以下の7種類に分類されます。
塗料 | 耐久年数 | 施工面積(㎡程度) | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル塗料 | 5〜7歳 | 1,500円 | コストが安いが耐久性が低い。DIYや当面の使用に適している。 |
ウレタン塗料 | 7〜10年 | 1,950円 | 弾性があり変形に強いが、紫外線に弱い。 |
シリコン塗料 | 10〜15年 | 2,300円 | コストが良く汚れに強い。一般住宅で最も使用される。 |
ラジカル塗料 | 12〜16歳 | 2,700円 | チョーキング現象を抑え、白色を長く維持。 |
フッ素塗料 | 15〜20歳 | 4,300円 | 汚れや紫外線に強いが高価。 |
光触媒塗料 | 15〜20歳 | 5,000円 | 汚れを雨で落とす効果があり環境に優しい。 |
無機塗料 | 20〜25歳 | 5,300円 | 耐久性と汚れに強く、最も高性能。 |
耐久性の高い塗料になるほど、施工単価が高くなるのがわかります。
たとえば、アクリル塗料やウレタン塗料を選ぶのであれば、一回分の工事費を抑えられるかわりに、短いサイクルで塗装するのが前提です。
一方、フッ素塗料や無機塗料は工事費が高額になるものの、塗装の周期が長くなり、工事の回数を減らせる可能性があります。
それぞれの特徴を理解して、ライフスタイルに合った塗料を選ぶのが重要です。
アクリル塗料
- 特徴:アクリル樹脂を主成分とした塗料で、コストが安い。
- 用途:当面の使用を目的とした建築やDIYに適している。
- デメリット:耐久年数が短く、定期的なメンテナンスが必要です。
- おすすめしない理由::外壁塗装ではほとんど使用されておらず、長期的なコスパが悪い。
はじめて外壁を塗装する人は、アクリル塗料を避け、コストパフォーマンスの良いシリコン塗料やラジカル塗料を選ぶのがおすすめです。
代表的な塗料
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日本ペイント | DANシリコンセラ |
日本ペイント | ニッペ DANフレッシュR |
エスケー化研 | セラミクリーン |
ウレタン塗料
- 特徴:弾性があり、光沢のある仕上がりが得られる。メンテナンスしやすい。
- 用途:外壁以外の付属品(雨樋やシャッターなど)の塗装に向いている。
- デメリット:紫外線に弱く、耐用使用年数が短い。
代表的な塗料
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日本ペイント | ニッペ ファインウレタンU100 |
日本ペイント | 水性ファインウレタンU100 |
エスケー化研 | クリーンマイルドウレタン |
シリコン塗料
シリコン塗料は「アクリルシリコン塗料」とも呼ばれ、もっとも一般的な外壁塗装用の塗料です。
- 特徴::価格と性能のバランスが良い塗料。 汚れに強く、色落ちしにくい。
- 用途:個人住宅やマンションなど、多くの建物で採用される。
- メリット:各メーカーが種類を多く展開しており、カラーバリエーションも豊富です。
代表的な塗料
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日本ペイント | 水性シリコンセラUV |
エスケー化研 | 水性セラミシリコン |
エスケー化研 | クリーンマイルドシリコン |
ラジカル塗料
- 特徴:塗膜劣化の原因となるラジカルを抑制し、耐久性を向上。
- 用途:シリコン塗料以上の性能を求める場合に適している。
- メリット:チョーキング現象が起こりにくく、光沢が見られます。
ラジカル塗料はラジカルの発生を抑制し、耐久性が高い塗料とされています。
エスケー化研の調査によると、同社のラジカル塗料「エスケープレミアムシリコン」は、シリコン塗料やウレタン塗料と比べて光沢の保持率が高い結果が出ています。
ラジカル塗料は汎用性や、コストパフォーマンスの高さが特徴です。
シリコン塗料よりもさらに耐用年数を伸ばしたい人は、選択肢に入るでしょう。
代表的な塗料
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日本ペイント | パーフェクトトップ |
関西ペイント | アレスダイナミック TOP |
エスケー化研 | エスケープレミアムシリコン |
フッ素塗料
- 特徴:紫外線や汚れに非常に強く、耐久性が高い。長期間光沢を維持できる。
- 用途:メンテナンス回数を減らしたい建物や高層ビルに適している。
- デメリット:施工単価が高いため、予算に余裕が必要。
代表的な塗料
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日本ペイント | ファイン4Fセラミック |
エスケー化研 | クリーンマイルドフッソ |
AGCコーテック | ルミステージ |
光触媒塗料
- 特徴:親水性により、雨で汚れを自然に洗い流す効果があります。
- 用途:美観を重視する建物や環境負荷を軽減したい場合に適している。
- デメリット:初期費用が高い。
代表的な塗料
メーカー | 塗料名 |
---|---|
TOTO | ハイドロテクトカラーコート |
無機塗料
- 特徴:紫外線や汚れに最も強く、非常に高い耐久性を持つ。
- 用途:長期的に外壁を保護したい場合に最適。
- デメリット:施工工事が最も高く、コストがかかります。
無機塗料とは、おもに炭素を含まない無機物で生成された塗料で、ウレタンやアクリルの塗料に無機物が混ざった状態のものです。
耐用年数が比較的長く設定される理由のひとつに、無機物が紫外線に強いことが挙げられます。
日本ペイントによると、同社の「アプラウドシェラスターⅡ」はフッ素塗料やシリコン塗料と比べて紫外線に対する劣化が少ない結果が出ています。
代表的な塗料
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日本ペイント | ニッペ パーフェクトセラミックトップG |
関西ペイント | アレスダイナミックMUKI |
エスケー化研 | エスケープレミアム無機 |
その他の塗料
今回紹介した以外にも、以下の名称の塗料が販売されています。
- ナノテク塗料
- イノセンス塗料
- ハイブリッド塗料
最新技術を用いた塗料や、海外での採用実績が豊富な塗料など、特徴やメリット、デメリットもさまざまです。
新しい塗料はいままでのものより高い効果を発揮する可能性がある一方で、実績データが少なく信頼を担保しにくい側面があります。
採用を検討する際は、さまざまな角度から情報を収集し、自分に合った塗料を選ぶよう心がけましょう。
塗料選びのポイントとおすすめ
塗料選びの考え方
- 費用が最も安い:アクリル塗料やウレタン塗料。
- コストパフォーマンスを重視したい:シリコン塗料やラジカル塗料。
- 長持ちさせたい:フッ素塗料や無機塗料。
初心者におすすめの塗料
- シリコン塗料:
- コストパフォーマンスに優れ、10年程度の耐久性があります。
- 個人住宅の約7~8割が採用しており、実績と信頼性が高い。
- 多くの業者が対応しているため、施工対応力も広範囲。
最新技術を採用した塗料
- ナノテク塗料やハイブリッド塗料など、従来品より高性能な塗料が登場しています。
外壁塗装工事の流れと期間
外壁塗装工事の進め方を事前に把握しておいて、スケジュールの調整準備がスムーズに進みます。
以下では、工事の具体的な流れ、必要な期間、塗装方法の種類、注意点について詳しく解説します。
外壁塗装工事の流れと日数
外壁塗装工事は、以下の9つのステップで進みます。
工程 | 内容 | 目安日数 |
---|---|---|
1. 近隣のご挨拶 | 工事開始前に近隣住民に挨拶を行い、工事概要や期間を説明します。 | 1日 |
2. 足場組み立て | 工事効率と安全性を確保するための足場を設置します。 | 1〜2日 |
3. 高圧洗浄 | 外壁の汚れやコケを強力な水圧で洗い流します。 | 1日 |
4. 下地処理 | クラック(ひび割れ)の補修や表面の平滑化を行います。 | 1〜2日 |
5. 養生 | 窓や玄関など塗料が付着してはいけない部分をシートテープやで見てください。 | 1日 |
6. 下塗り | 塗料の密着性を高めるための下地材を塗布します。 | 1日 |
7. 中塗り・上塗り | 中塗りで色を付け、上塗りで仕上げます。耐久性と美観を確保します。 | 2〜3日 |
8. 完了検査 | 施工箇所を検査し、不備があれば修正します。 | 1日 |
9. 足場解体 | 工事終了後、足場を解体し、周囲の監視を行います。 | 1日 |
工期の目安
- 外壁のみの場合:約2〜3週間。
- 屋根やバルコニー防水を含む場合:約1ヶ月。
近隣挨拶の重要性
工事開始の1週間前までには近隣への挨拶をしておきましょう。
- 工事概要:塗装工事の内容と日程。
- 大きく音が出る日: 足場の設置や高速洗浄の際の騒音。
- 塗料の飛散防止策:車や自転車などへの養生対策。
配慮のポイント
- 塗料が飛散する可能性がある場合、車やバイクのシートカバーをご用意しております。
- ゴミや騒音が発生する日程を事前に通知し、安心感を考慮します。
塗料の塗り方と特徴
外壁塗装の塗り方には以下の3種類があります。
塗り方 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
刷毛塗り | 小さな刷毛を使い、狭い部分や細かい部分を丁寧に塗装。 | 窓や枠の塗装に最適。 |
ローラー塗り | スポンジローラーに塗料を染み込ませて均一に塗布します。 | 外壁全体の塗装に適している。 |
吹き付け塗装 | 機械で塗料を吹き付ける方法。スピードが早く、模様をつける際にも使用します。 | 万が一壁面やデザイン塗装に活用。 |
選ぶ際のポイント
- 一般的な住宅では、ローラー塗りがメイン。
- 模様やデザインを重視する場合は吹き付け塗装を選択。
工事中の注意点
外壁塗装工事中には以下の点に注意する必要があります。
- 洗濯物が干せない
- 塗料の飛散を防ぐため、屋外乾燥が難しい場合があります。室内乾燥や浴室乾燥機の使用を検討してください。
- 塗料のにおい
- 窓を閉めていても塗料のにおいが室内に入ることがあります。来客予定がある場合は、工事期間を避けましょう。
- 防犯意識を高める
- 足場が設置されることで、2階以上への侵入が容易になります。窓や出入り口の施錠を徹底しましょう。
外壁塗装に適した時期
塗装に適した時期は以下の季節が推奨されています:
時期 | 理由 |
---|---|
4〜5月 | 気温が安定し、梅雨前で湿度が低い。 |
9〜10月 | 台風シーズン以降、乾燥した気候が続きやすい。 |
注意点
- 外気温が5℃以下では塗料が乾きにくく、塗装に適していません。
- 梅雨や台風の影響を受けて工期が延びる可能性があるため、天候が安定した時期を選びましょう。
外壁塗装で多い悪質業者とのトラブル事例と回避方法
外壁塗装に関して悪質な業者とのトラブルは後を絶ちません。
事前に典型的なトラブル事例を把握しておいて、リスクを回避し、安心して工事を依頼できる業者を選ぶことが可能です。以下では、悪質業者とのトラブル事例とその回避策を具体的に解説します。
キャンペーン価格や大幅値引きのウソ
事例
- 「今だけ特別価格」や「〇〇%オフ」などセールス窓口で契約を急かす業者に注意が必要です。
- 見積もり金額を通常より高く設定し、値引きしているように見せる手法が多く使用されています。
背景
- 大幅な値引きを謳うことで「お得感」を演出し、比較との比較をさせず早期契約を目指しています。
回避方法
- 複数業者の見積もりを比較::1社だけでは金額の評価性を判断できません。 比較の見積もりと比較することで不自然な価格設定を見抜けます。
- 価格以外の内容を重視:使用する塗料や工事範囲、保証内容を確認し、金額以外の要素も検討材料にしましょう。
施工後の追加費用請求
事例
- 工事後に「契約内容にない費用完了」を請求されるトラブルが発生しています。
- 主な理由:
- 必要な工事内容を見積書には記載しません。
- 工期延長や契約外の工事を勝手に追加。
背景
- 解消な見積書や打ち合わせ不足が原因で、業者が不当に費用を追加請求されてしまう。
回避方法
- 詳細な見積書を要求:工事や使用範囲などを具体的に記載してもらいましょう。
- 書面で記録を残す::会議内容を文書修正、双方で重複・捺印することで、後のトラブルを防ぎます。
- 図面を添付: 塗装箇所を明確にするため、図面付きの見積書を依頼しましょう。
飛び込み訪問営業に注意
事例
- 突然インターホンを鳴らし、「外壁が劣化している」と不安を煽る営業。
- 「今なら〇〇円で修理可能」と価格を強調し、即契約をお願いします。
典型的な手口
- 築年数が15年以上経過している住宅をターゲット。
- チョーキング現象などを指摘し、「放置すると危険」と警告。
- キャンペーン価格を提示して契約を急げます。
背景
- 国民生活センターによると、訪問販売によるリフォーム相談は増加傾向にあり、2021年には年間9,000件以上。
引用:訪問販売によるリフォーム工事・点検商法|独立行政法人国民生活センター
回避方法
- 決断しない: 訪問営業の提案には一度持ち帰り、冷静に判断する。
- 複数業者に確認: 別の業者に診断や見積りを依頼し、情報を比較する。
- 口コミをチェック: 飛び込み業者の評判をネットで確認する。
近隣住民とのトラブル
事例
- 工事中の騒音や敷地を越えた環境が原因で、近隣住民からクレームを受ける。
- 事前説明や配慮が不足している場合に発生しやすい。
背景
- 工事特有の音や塗料のにおい、足場設置などが原因。
- 悪質者の場合、近隣住民への挨拶や配慮を要するケースが多い。
回避方法
- 信頼できる業者を選ぶ: 優良業者は近隣挨拶を丁寧に行い、リスクを事前に伝えます。
- 近隣でも説明: 工事内容や期間を共有し、今後得る努力をしましょう。
悪質者を憎むための具体的なポイント
- 複数の業者に相談する
- 最低でも3社以上の見積もりを取り、内容や金額を比較。
- オペレーターの対応や説明の透明性を確認。
- インターネットで口コミを調査
- 実際にその業者を利用した人の口コミや評判を確認。
- リフォーム関連のランキングサイトを活用します。
- 緊急性を煽る言葉に注意
- 「今すぐ修理しないと危険」といった不安を煽る業者は避けましょう。
外壁塗装で活用できる助成金と申請の流れ
外壁塗装は大きな出費を伴うため、助成金や補助金を賢く活用することで、経済的な負担を軽減することが可能です。
以下では、外壁塗装に使える助成金の概要や申請方法、注意点について詳しく解説します。
助成金は自治体が出している
助成金のおもな提供元は自治体です。
たとえば東京都の場合、外壁塗装で使える助成金の例は以下のとおりです。
助成金の例(東京都の場合)
対象自治体 | 事業内容 |
---|---|
渋谷区 | 住宅簡易改修支援事業 |
目黒区 | 住宅リフォーム資金助成 |
大田区 | 住宅リフォーム助成事業 |
北区 | 住まい改修支援事業 |
東村山市 | 住宅改修築費補助制度 |
上記のような事業は、外壁塗装のみでも助成金の対象となる場合があります。
助成金の要件例
- 自己が所有・居住する建物である
- 指定業者が施工する
- これまでに同じ事業の助成金を交付されていない
主要都市の助成金事例
全国の主要都市でも外壁塗装に利用可能な助成金が用意されています。以下はその一例です。
対象の都道府県 | 対象の自治体 |
---|---|
神奈川県 | 横須賀市 |
埼玉県 | 熊谷市 |
大阪府 | 摂津市 |
福岡県 | 朝倉市 |
北海道 | 旭川市 |
助成金申請の流れ
助成金を申請する際には、以下の手順を進めます。
1. 工事内容の検討
- 補助金が適用される工事内容を市民の窓口で確認します。
- 指定業者での施工が必須の場合、自治体から紹介を受けることもあります。
2. 助成金の申請
- 必要な書類(見積書、建物の全ての証明書など)を準備し、自治体に提出します。
3. 審査結果の受け取り
- 提出後、自治体で審査が行われ、助成金の受賞資格が確定します。
4. 工事契約の締結
- 審査通過後、指定業者と工事契約を締結します。
5. 工事完了報告と助成金申請
- 工事完了後、完了写真や必要な書類を提出し、助成金を申請します。
- 審査が通れば助成金が贈られます。
助成金申請時の注意点
併用の可否
- 補助金は他の補助金と併用できない場合があります。
- 例: 耐震補助金や省エネ改修補助金との併用不可。
- 併用可能かどうか、事前に住民窓口でご確認ください。
申請期限
- 助成金には申請期限がある場合が多く、早めの手続きが必要です。
指定業者の条件
- 自治体が指定した施工業者を利用することが必須条件となる場合があります。
- 自由に業者を選びたい場合は補助金対象外となる可能性があります。
分に合った支援を活用してください。
外壁塗装でよくある質問と回答
外壁塗装を検討している方から寄せられる質問の中には、費用や施工方法に関するものが多くあります。ここでは、よくある質問に専門的な視点を加えて、わかりやすく解説します。
支払いのタイミングはいつですか?
外塗装壁の支払いタイミングは業者ごとに異なりますが、一般的には以下のように分割して支払いケースが多いです。
- 契約後1週間以内:費用の30%(事前金として)
- 工事開始の2週間前まで:費用の40%(中間金として)
- 工事完了後1週間以内:残金30%(+契約後の追加工事費)
注意点
- 支払いスケジュールは見積りの段階で必ず確認しましょう。
- 契約書に支払う条件を確実に受け取っていただき、不明な点は事前に業者に質問することが大切です。
分割払いは可能ですか?
外壁塗装の費用を分割で支払う方法として、以下の2つがあります。
①クレジットカード払い
- 対応状況: 一部の業者では対応していますが、全ての業者がクレジットカード払いに対応しているわけではありません。
- 確認方法:支払い方法の種類は、事前に業者のホームページや問い合わせで確認してください。
② リフォームローン
- 特徴:
- 業者と提携しているローン会社や銀行からの借入が可能です。
- 保障や支払い条件はローン会社ごとに異なるため、慎重に比較しましょう。
- おすすめの流れ:
- 業者から紹介されるローン会社の条件を確認。
- 他の金融機関のリフォームローンも調べて、複数の資料を比較。
- 金額や支払期間、負担額が最も有利な選択肢を決定します。
自分でDIYすることは可能ですか?
外壁塗装をDIYで行うことは理論上可能ですが、専門家はお勧めしません。
理由
- 知識と技術の不足:
- 外壁塗装は規定色を塗るだけでなく、防水性や耐久性を高める役割があります。
- 例:窓枠のシーリング材は適切に施工しないと水の侵入を防げず、建物の被害を招きます。
- リスク:
- 塗料の選定ミスやしっかりとした施工により、塗膜が早期に劣化する可能性がございます。
- 足場の設置や高所作業に伴う事故のリスクも考慮する必要があります。
推奨
- 専門業者に依頼:外壁塗装は長期的な建物の保護を目的としているため、知識と技術を持つプロにお任せするのが承知です。
まとめ
外壁塗装は建物の寿命や見た目を考慮するために重要な作業です。
以下のポイントを押さえて、納得のゆく外壁塗装を実現しましょう。
- 支払い条件の確認:
- 支払いタイミングや分割払いの可否を見積り段階でご確認ください。
- DIYは避け、専門業者に依頼:
- 外壁塗装はプロの知識と技術が必要な工事。リスクを考慮して依頼するのが賢明です。
- 業者選びを慎重に行う:
- 一括見積もりサイトや口コミを活用し、複数の選択肢から最適な業者を検討します。
最終的な価格は地域によって変わるため、ネットなどの情報をすべて鵜呑みにせず、複数の業者から見積もりを取って判断するのがベストです。
一括見積もりサイトを使って見積もりを取れば、万が一業者側の強引な勧誘が合った場合も間に入ってもらえるので安心です。
中でも大手のSUUMOが運営している「SUUMOリフォーム」は、厳しい審査を行っていて信頼度が高いサイトの1つです。
外壁塗装は安い買い物ではありませんが、正しい知識と準備を進めることで、納得のいく結果を得られるでしょう。