規格住宅でおすすめのハウスメーカーは?コストを抑えて家を建てるための方法
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「少しでも安く注文住宅を建てたい」と考えている方には、コストパフォーマンスが高い「規格住宅」を検討することをおすすめします。
規格住宅とは?
規格住宅とは、あらかじめ用意された設計やプランの中から間取りや内装を選んで建てる住宅のことです。
「すべてを自由に設計する注文住宅(フルオーダー)」と比較すると選択の自由度は限定されますが、その分コストが抑えられるのが特徴です。
価格の目安として、規格住宅は 1坪あたり30~40万円程度の低予算 で建築可能なものが多くあります。
この記事では、規格住宅の特徴、メリット・デメリット、よくある間取り例、そして超格安で家を建てるコツについて解説します。
規格住宅とは?なぜ安いのか
規格住宅とは、間取り・内装・設備などを、あらかじめ用意された中から施主が選ぶタイプの注文住宅です。
「間取りを自由に決められないのに注文住宅なの?」と疑問に思うかもしれませんが、大きく分類すると注文住宅の一種になります。
※間取りを自分たちで自由に決めることができる住宅は「自由設計の注文住宅」という分類になります。
積水ハウスやタマホームのようなハウスメーカーだと「セミオーダーの注文住宅」になり、建築設計事務所などに依頼して建てる家が「フルオーダーの注文住宅」となります。
なぜ規格住宅は安く建てられるのか?
規格住宅が低コストで建てられる理由は主に以下の2つです。
- 規格化によるコスト削減
- 人件費の削減
1. 規格化によるコスト削減
規格住宅はデザインや間取りを標準化し、材料や設備を一括で大量発注することでコストを削減しています。
具体例:
- 木材や建材のサイズを統一。
- キッチン、トイレなどの設備を同一商品で揃えることで仕入れ価格を低減。
2. 人件費の削減
間取りや仕様があらかじめ決められているため、設計や打ち合わせにかかる時間が短縮されます。これにより工期が一般的な注文住宅の約2/3に短縮され、職人の人件費を削減できます。
例えば、職人の1日あたりの人件費を12,000円とすると、工期が60日短縮できれば、1人あたり約66万円のコストが削減可能です。職人3人分で計算すると200万円近く節約できます。
規格住宅と注文住宅の違い
規格住宅は注文住宅の中でも特に価格を抑えたカテゴリに位置します。
以下に、主な住宅の種類ごとの違いをまとめました。
家の種類 | 価格 | 間取り自由度 | 工事期間 |
---|---|---|---|
規格住宅 | 低い | 低い | 2~4ヵ月 |
セミオーダー | 中 | 中~高い | 4~6ヵ月 |
フルオーダー | 高い | 高い | 6~8ヵ月 |
建売住宅 | 低い | なし | 完成済 |
間取りの自由度が低い規格住宅ですが、選べる間取りやデザインの選択肢が広がっており、現在では 100~300種類程度の間取り が用意されていることもあります。
多少の制限はありますが、自分たちで自由に間取りを決めることができるのが「オーダー住宅」で、決まった選択肢の中から自分たちの好みに合う間取りを選ぶのが「規格住宅」です。(建売住宅はすでに完成済み)
また、壁紙やフローリング、外観、屋根の形状などもカスタマイズ可能な場合があります。
規格住宅とローコスト住宅の違い
「ローコスト住宅」という言葉は、一般的に坪単価が安い住宅を指します。
一方、規格住宅は間取りや内装の選択肢が規定された注文住宅の一種です。
ローコスト住宅の目安:坪単価50万円未満。ただし、ウッドショックや人件費高騰の影響で、現在の基準は徐々に引き上げられています。
規格住宅の坪単価相場
規格住宅の坪単価は、30万円~50万円程度が相場です。
規格住宅といってもある程度価格の幅はあり、坪単価30万円くらいの安い家もあれば、タマホームなどのローコスト住宅と同額程度で坪単価50万円を超える家もあります。
規格住宅は低価格ながら一定の自由度を持つため、予算内で理想の家づくりを実現する有力な選択肢です。
予算が許すのであれば、規格住宅よりもオーダー住宅の方が自由度が高いのは確かなので、どちらにするか迷っている場合は、自分の予算に合わせて色々な会社のカタログを見比べてみることをおすすめします。
規格住宅であっても、自分の好みに合う間取りが選べるならOKだと思いますし、逆に値段が高いオーダー住宅であっても、自分の予算内に収まるのであれば問題はないはずです。
気になるハウスメーカーや工務店のカタログを比較することで、予算内で最適な選択肢を見つけることができます。
カタログには間取り例や施工事例、コスト削減のポイントが詳しく記載されています。
ポータルサイト「LIFULL HOME’S」などを活用すれば、複数のカタログを一括で取り寄せることができ、効率的に情報収集が可能です。
人気の規格住宅メーカーと特徴・主力商品例
規格住宅は低コストで家を建てられる一方で、品質やデザインの選択肢が充実しており、多くの家庭にとって魅力的な選択肢です。
ここでは、規格住宅を展開する人気のハウスメーカーと、各社の主力商品の間取り例や特徴を詳しく解説します。
アイフルホーム
アイフルホームは、リーズナブルな価格と選択肢の多さで知られる規格住宅の代表格です。
特に「ISME」や「i-Prime7」などが人気商品として挙げられます。
主力商品と特徴
- ISME:ファミリー向けのシンプルな規格住宅で、南玄関設計が標準。展示場で確認可能。
- i-Prime7:インターネット限定商品。全て自分で選択して進めるセルフプラン型。
- 五世代:多世帯向けの大型規格住宅。
商品詳細
商品名 | プラン数 | 価格帯 |
---|---|---|
ISME | 35 | 1,300万円~ |
i-Prime7 | 10 | 700万円台~ |
- ISME詳細例
- 建物本体価格:1,375万円(税込)
- 延床面積:92.00㎡(29.52坪)
- 構造:二階建て
- 間取り:3LDK
メリット
- 初心者向け:営業スタッフのサポートが充実。
- 展示場でモデルハウスを体感可能。
注意点
- インターネット商品(i-Prime7)はサポートが少ないため、知識が必要。
ジブンハウス
ジブンハウスは、スマートフォンを活用して間取りやデザインを自由にカスタマイズできる、新しい形式の規格住宅です。
主力商品と特徴
- スマートカスタム:専用アプリを使い、家族で仕様を選びながら楽しく設計可能。
- 設計のたびに価格が更新され、予算管理が簡単。
商品詳細
商品名 | プラン数 | 価格帯 |
---|---|---|
ジブンハウス230 | 230 | 1,168万円~ |
- ジブンハウス詳細例
- 建物本体価格:1,199万円(税込)
- 延床面積:92.74㎡(28.05坪)
- 構造:二階建て
- 間取り:3LDK
メリット
- スマホ操作でどこからでも簡単に家づくり。
- 透明性の高い予算管理。
注意点
- スマホ操作が苦手な人には不向き。
ゼロキューブ
ゼロキューブは、日本全国で展開されるシンプルなキューブ型デザインが特徴の規格住宅です。
主力商品と特徴
- ZERO-CUBE:基本モデルをカスタマイズして「+α」で部屋や設備を追加。
- シンプルながらもスタイリッシュなデザイン。
商品詳細
商品名 | プラン数 | 価格帯 |
---|---|---|
ZERO-CUBE | 5+α | 1,168万円~ |
- ZERO-CUBE詳細例
- 建物本体価格:1,100万円(税込)※価格は代理店によって異なります。
- 延床面積:98.53㎡(29.80坪)
- 構造:二階建て
- 間取り:3LDK
メリット
- 提携工務店が全国にあり、どこでも建築可能。
- 追加オプションで柔軟な設計。
カーサキューブ
カーサキューブは、窓を極力減らしたシンプルモダンなデザインと高性能な塗り壁を特徴とする規格住宅です。
主力商品と特徴
- 通風と採光に特化した設計。天窓で自然光を取り入れつつプライバシーを確保。
- 塗り壁を採用することで高級感とメンテナンスコスト低減を実現。
商品詳細
商品名 | プラン数 | 価格帯 |
---|---|---|
CASA-CUBE 1 | 4+α | 1,512万円~ |
- CASA-CUBE詳細例
- 建物本体価格:1,512万円(税込)※価格は代理店によって異なります。
- 延床面積:105.98㎡(32坪)
- 構造:二階建て
- 間取り:3LDK
メリット
- 高品質な塗り壁でメンテナンス費用を削減。
- 無駄のない効率的な設計。
ダイワハウス(ライフジェニック)
ダイワハウスの「ライフジェニック」は、大手メーカーによるオンライン専用の規格住宅です。
主力商品と特徴
- 用意された質問に答えるだけで、最適な間取りやデザインを提案。
- 組み合わせが多彩で、自分好みの家をインターネット上で簡単に設計可能。
商品詳細
商品名 | プラン数 | 価格帯 |
---|---|---|
ライフジェニック | 2225種類 | 1,978万円~ |
- ライフジェニック詳細例
- 建物本体価格:1,978万円(税込)
- 延床面積:108.86㎡
- 構造:二階建て
- 間取り:3LDK
メリット
- 大手メーカーならではの安心感。
- デザイン・間取りの選択肢が豊富。
規格住宅の選び方のポイント
- サポート体制を確認する
初心者は営業担当がサポートしてくれるメーカーを選ぶと安心。 - 価格と仕様のバランスを考慮
塗り壁など長期的にコストを抑えられる仕様が魅力。 - デザインの好みを反映
スマートカスタムやライフジェニックのようなデジタルツールを活用して、細かい部分まで自分好みに設計。
規格住宅は、コストを抑えつつ高品質な住宅を建てたい方にとって有力な選択肢です。
それぞれのメーカーが持つ特長をしっかりと把握し、自分たちのライフスタイルや予算に最適なプランを選びましょう。
規格住宅でよくある間取り例と選び方のポイント
規格住宅の間取りは、住宅のプロが設計したパターンをベースにしており、多くの場合「無難で使いやすい」設計となっています。
しかし、コスト削減のために収納不足や動線の不便さが生じることもあり、間取り選びは慎重に行う必要があります。
また、こだわりがある場合はオーダー住宅のカタログも参考にし、規格住宅との価格差を比較検討するのがおすすめです。
以下では、一般的な規格住宅の間取り例を坪数別に詳しく解説します。
30坪の一般的な間取り例
商品名:ZERO-CUBE FREAK’S
- 延床面積:98.53㎡(29.80坪)
- 間取り:3LDK
- 各床面積:1F: 52.99㎡(16.03坪) 2F: 45.54㎡(13.77坪)
- 特徴:1階にLDKと水回り、2階に主寝室と子ども部屋2つを配置。
間取りの特徴と注意点
- 1階の収納が少ない:玄関脇のシューズクロークや階段下以外の収納スペースが少ないため、使い勝手に不便を感じる場合があります。
- 2階のトイレやウォークインクローゼットがない:利便性の観点から、これらのスペースを追加するオプションを検討しても良いでしょう。
おすすめの改善策:
- シューズクロークをキッチン収納(パントリー)に変更。
- 2階にトイレや収納スペースを追加する場合は、事前に相談を。
35坪の一般的な間取り例
商品名:COZY
- 延床面積:117.59㎡(35.58坪)
- 各床面積:57.97㎡(17.54坪) 2F: 59.62㎡(18.04坪)
- 間取り:3LDK+フリースペース
間取りの特徴と注意点
- 1階:LDKに加え、リビング横のフリースペースが特徴。和室や洋室に変更可能。
- 2階:フリースペースを設けることで、部屋としての利用や吹き抜けへの変更が可能。
ポイント:
- 和室に段差を設けることで、下部を収納スペースとして活用。
- 吹き抜けを採用する場合は、断熱性能や冷暖房効率を事前に確認。
40坪の一般的な間取り例
商品名:CASA-CUBE 4×5
- 延床面積:132.48㎡(40.07坪)
- 販売価格:1,880万円(税別)
- 間取り:4LDK+フリースペース
間取りの特徴と注意点
- 1階:LDKが広く、21.5帖を確保。ファミリークローゼットも設置されており収納面では利便性が高い。
- 2階:広い面積があるにもかかわらずトイレがなく、各部屋の収納も少ない点が気になります。
改善案:
- 2階にトイレを増設。
- ファミリークローゼットを小さくして各部屋の収納を拡充。
テレワーク部屋がある間取り
商品名:ダイワハウス Lifegenic
- 延床面積:116.82㎡(35.33坪)
- 各床面積:1F:60.78㎡ 2F:56.04㎡
- 間取り:3LDK+畳スペース+テレワークスペース
間取りの特徴と注意点
- 1階と2階にそれぞれ個室タイプのテレワークスペースを設置。家族の生活音や視線を気にせず仕事に集中できる設計。
- 2階のワークスペースがウォークインクローゼットのスペースを兼ねているため、収納不足が懸念される。
改善案:
- ワークスペースを2階のファミリークローゼット部分に移動し、居室の収納を確保。
ビルトインガレージがある間取り
商品名:ZERO-CUBE +GARAGE
- 延床面積:121.72㎡(36.82坪)
- 各床面積:1F : 76.18㎡(23.04坪) 2F : 45.54㎡(13.78坪)
- 本体価格:1,000万円+ガレージ400万円の合計1,400万円(税別)
- 間取り:3LDK+ガレージ+バルコニー
特徴と注意点
- ガレージの上部をスカイバルコニーとして活用でき、趣味やアウトドアリビングとしての利用が可能。
- ガレージを取り入れる分、1階の居住スペースが削られる点に注意。
平屋の間取り例
商品名:BinO MONICA
- 延床面積:77.42㎡(23.41坪)
- 間取り:3LDK
特徴と注意点
- 廊下スペースが少ないため、居住面積を有効活用可能。
- 土間リビングのデザインは好みが分かれるため、フローリングへの変更が可能か確認。
- 主寝室隣のトイレの防音性能や、狭めの洗面スペースの実用性を確認する必要あり。
3階建ての間取り
商品例:ZERO-CUBE +INNER GARAGE
- 延床面積:151.52㎡(45.81坪)
- 各床面積:1F : 52.99㎡(16.02坪) / 2F : 52.99㎡(16.02坪)3F : 45.5㎡(13.77坪)
- 間取り:4LDK+インナーガレージ
特徴と注意点
- 土地の狭さをカバーする設計で、ガレージを内蔵。
- 2階のLDKが水回りと隣接しており、生活動線がスムーズ。
- 収納がやや少なく、オプション追加が必要になる可能性あり。
間取り選びのコツと注意点
- 収納を重視:
規格住宅では収納スペースが不足しがち。必要に応じて、ウォークインクローゼットやシューズクロークを追加。 - 生活動線を確認:
キッチンと洗面室の距離や、家事動線を考慮した配置になっているかをチェック。 - テレワークスペースの確保:
リモートワークが増えているため、個室のワークスペースを検討。 - 間取り変更の可能性を確認:
一般的に間取り変更は難しいとされていますが、住宅会社によっては柔軟に対応してくれる場合もあります。具体的な要望を伝え、見積もりや変更費用を確認しましょう。 - 実際の施工例を確認:
モデルハウスや建築済み物件を訪問し、実際の間取りや広さを体感することが重要です。
規格住宅はコストを抑えつつ効率的な設計が魅力ですが、細かな不便さが生じることもあります。
間取り図だけでは分からない部分を確認し、自分のライフスタイルに合った選択をしましょう。
規格住宅でも間取りの変更が可能な場合がある
一般的に「規格住宅=間取りの変更ができない」と考えられがちです。
実際、多くの住宅会社では「規格住宅は設計が決まっているため、間取り変更は難しい」という回答をすることが多いです。
しかし、これはあくまで標準的な考え方であり、必ずしも変更が不可能というわけではありません。
住宅会社によっては、規格住宅でも一定の範囲内で間取りの変更に対応してくれる場合があります。これは、施主の要望に柔軟に応えるための特別対応として行われることがあります。
間取り変更の具体例
以下は、実際に規格住宅で対応可能だった間取り変更の例です。
- LDK横の和室を洋室に変更
- 畳スペースをフローリングに変更することで、現代的な使い勝手の良い空間に。
- 2階にトイレを増設
- 生活動線の利便性を高めるため、2階にトイレを追加。
- 玄関横にシューズクロークを設置
- 収納力を増やし、玄関周りをすっきりとさせる工夫。
- 主寝室にウォークインクローゼットを設置
- 洋服や荷物をまとめて収納できるスペースを確保。
- 窓の数や位置を調整
- 採光や通風を考慮して窓を増やしたり配置を変更。
- 子ども部屋を1つの広い部屋に統合
- 将来の用途変更を見越して壁を取り払い、広い空間に。
規格住宅は、基本的に決められた間取りをベースにした住宅ですが、一部の住宅会社では柔軟に間取り変更に対応してくれるケースがあります。
特に、使い勝手を向上させるための小規模な変更であれば、相談次第で実現可能です。
ただし、変更には追加費用が発生することがあるため、総額がオーダー住宅と大きく変わらない場合は、フルオーダー住宅も視野に入れることをおすすめします。
重要なのは、変更のメリットとコストを冷静に比較し、後悔のない家づくりを進めることです。
「できない」と諦める前に、住宅会社に相談し、どこまで対応可能かを確認する姿勢が重要です。また、費用や性能への影響をしっかりと理解した上で、最適な選択をしてください。
超格安で家を建てるためのコツ
規格住宅は建物価格があらかじめ決まっているため、注文住宅のように大幅な値引き交渉や間取りを削って費用を抑えることは難しいです。
そのため、規格住宅をさらに安く建てたい場合には、建物以外の費用に注目してコストダウンを図ることが鍵となります。
以下では、専門的な視点で、建築費用を抑えるための具体的な方法を詳しく解説します。
1. お金のかからない土地を選ぶ
土地選びは家づくりにおいて大きな費用を占める部分です。
土地の購入時には以下の点に注意し、総合的なコストを削減しましょう。
ポイント:
- 造成費用を抑える
- 高低差や勾配のある土地は、整地や擁壁工事に高額な費用がかかるため、フラットな土地を選ぶ。
- 例:造成費用が200万円かかる土地より、初期費用が高くても平坦な土地の方が結果的に安くなる場合があります。
- インフラ整備済みの土地を選ぶ
- 水道や下水が引き込まれている土地を選ぶことで、配管工事費用を削減。
- 用途地域と規制の確認
- 農地の場合、農地転用費用がかかります。
- 測量費用が高くなる境界未確定の土地は避ける。
アクションプラン:
- 不動産会社や自治体が管理する「分譲地」や、すでにインフラ整備が済んでいるエリアを優先的に探す。
- 造成やインフラ整備費用を含めた総額で比較する。
2. 建物以外の費用を比較する
規格住宅では、建物本体価格以外に以下の費用がかかります。
これらを複数の住宅会社で比較することで、総額を抑えることが可能です。
付帯工事費
- 基礎工事、水道引き込み工事、外構工事などが含まれます。
- 例:同じ30坪の家でも、A社の付帯工事費が100万円、B社が50万円の場合、総額ではB社の方が安くなる。
オプション費
- 床材のグレードアップやキッチン設備の追加など。
- 必要最低限のオプションに絞ることでコスト削減。
諸経費
- 登記費用や火災保険料、ローン手数料などを含む。
- これらも会社ごとに差があるため確認。
アクションプラン:
- 複数の住宅会社に見積もりを依頼し、建物本体価格以外の費用を詳細に比較。
- 工事費や諸経費の内訳を確認し、不明な点は必ず質問する。
3. 補助金を活用する
家づくりにおいては、国や自治体が提供する補助金を活用することで費用を削減できます。
規格住宅でも基準を満たせば補助金を受けられる場合があるため、事前に確認しましょう。
具体例:
- 断熱性能の向上
- 断熱性が基準を満たしていない場合、窓ガラスや断熱材をグレードアップすることで補助金が適用される可能性があります。
- 例:20万円の窓グレードアップで、50万円の補助金が受けられる。
- ZEH補助金
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応住宅の場合、国から補助金が出ることがあります。
アクションプラン:
- 規格住宅が補助金の対象となる条件を確認。
- 条件を満たすためのアップグレードの費用対効果を計算。
- 補助金対応に不慣れな営業担当の場合、他の住宅会社も検討。
規格住宅の安全性や注意点について
規格住宅は「低価格で家を建てられる」というメリットが強調されがちですが、安全性や性能についての懸念を持つ方も少なくありません。
しかし、多くの規格住宅では耐震性や断熱性が十分に考慮されており、安さと品質を両立しています。
重要なのは、性能や注意点を正しく理解した上で、自分の希望に合った住宅を選ぶことです。
規格住宅の安全性:低価格でも高性能を実現
規格住宅は「低コスト=性能が低い」というイメージを持たれることがありますが、実際には「低コストで高品質」を目指して設計されています。
セミオーダーやフルオーダー住宅では、一棟ごとに設計や構造計算を行うため費用がかかりますが、規格住宅は 事前に構造計算済みの設計を規格化 することで、コストを削減しつつも安全性を担保しています。
耐震性能の基準
住宅の耐震性を評価する基準には「耐震等級」があり、規格住宅でも高い耐震等級を備えた商品が多く存在します。
耐震等級 | 特徴 |
---|---|
等級1 | 震度6強~7程度の地震でも倒壊しない。 |
等級2 | 等級1の1.25倍の耐震強度。学校や病院などの施設基準。 |
等級3 | 等級1の1.5倍の耐震強度。警察署や消防署など防災拠点の基準。 |
規格住宅でも標準仕様で 耐震等級3 を満たす商品が多数あります。
この等級では、震度6強~7の地震でも軽微な損傷で済み、補修を行えば住み続けることが可能です。
断熱性能の基準
断熱性についても、「断熱等性能等級」という基準で評価されます。最高ランクの等級4は、冬場の暖房や夏場の冷房エネルギー消費を削減できる住宅性能を指します。
- 規格住宅でも断熱等性能等級4 を標準仕様とする商品が多く、快適な住環境を維持できます。
- 断熱性能が高いと、光熱費の削減にもつながり、長期的なコストパフォーマンスが向上します。
規格住宅の注意点:変更や代理店の違いに注意
規格住宅は高い安全性を持つ一方で、設計変更や施工会社の選び方によっては注意が必要です。
1. 間取りや設備の変更が性能に及ぼす影響
規格住宅では、設計や設備があらかじめ決められています。この統一設計によって、構造計算がクリアされ、耐震性や断熱性が確保されています。そのため、変更を加える際には慎重な検討が必要です。
- 窓の数や大きさの変更:窓を増やしたり大きくすることで耐震性が低下する可能性があります。
- 壁の配置変更:構造壁を変更すると、耐震性が損なわれるリスクがあります。
対応策:
- 設計変更を希望する場合は、必ず設計士や住宅会社に相談して性能への影響を確認する。
- 設計変更によって追加費用が発生する場合、総額がフルオーダー住宅と大きく変わらないか比較する。
2. 代理店や工務店ごとの性能の違い
同じ規格住宅ブランドでも、施工を担当する代理店や工務店によって耐震性や断熱性に差が出る場合があります。
- 例:
- A社:耐震等級3を標準仕様として提供。
- B社:コスト削減のため耐震等級1にとどまる。
理由:
- 一部の代理店では、低コストで提供するために耐震等級の検査を省略することがあります。
- 逆に、一部の工務店では独自に性能を強化する工夫を加えている場合もあります。
対応策:
- 各代理店の性能や実績を確認する。
- 耐震等級や断熱性能について具体的な数値を確認し、不明な点があれば質問する。
まとめ:安全性を確保しつつコストを抑える規格住宅選び
規格住宅は、低価格ながら高い耐震性や断熱性を持つ商品が多く、安全性についても十分に配慮されています。
ただし、設計変更や施工会社の違いによって性能に影響が出る可能性があるため、事前に十分な確認が必要です。
重要なチェックリスト
- 耐震等級や断熱性能を具体的に確認する。
- 代理店や工務店の実績や評判を調査する。
- 設計変更の必要性や影響を設計士に相談する。
- 実際の施工例やモデルハウスを見学して品質を確認する。
規格住宅を選ぶ際は、自分が譲れない性能や仕様を明確にし、その基準を満たす住宅会社を選ぶことが大切です。信頼できるパートナーを見つけ、安全で快適な住まいを手に入れましょう。
規格住宅に関するよくある質問
規格住宅についてよく寄せられる質問を専門的な視点で詳しく解説します。
建築プロセスや特徴を正しく理解することで、選択肢の幅を広げ、理想の家づくりを実現する助けとなります。
規格住宅の工期はどれくらいかかる?
一般的な注文住宅では、着工から引き渡しまで約4~6ヵ月程度を要しますが、規格住宅は 3ヵ月程度 と、短期間で完成するのが一般的です。
短縮できる理由:
- 規格化された設計:間取りや仕様が決まっているため、設計に時間を要しない。
- プレカット工法の採用:木材や建材を工場で加工し、現場では組み立てるだけで済む。
- 打ち合わせ時間の短縮:間取りや設備の選択肢が限られているため、打ち合わせの回数が少ない。
注意点:
- 土地の整備や建築確認申請に時間がかかる場合は、予定より工期が延びることもあります。
狭小地や変形地に規格住宅は建てられる?
規格住宅は、あらかじめ定められた間取りや構造が前提となるため、 狭小地や変形地には向いていない 場合が多いです。
理由:
- 規格住宅は平坦で標準的な土地を想定した設計が基本。
- 間取りの自由度が低いため、土地の形状に合わせた設計が困難。
解決策:
- 狭小地や変形地に家を建てる場合は、 オーダータイプの注文住宅 を検討。
- 土地の形状を確認し、規格住宅で対応可能か事前に住宅会社に相談。
太陽光発電システムを設置できる?
規格住宅でも太陽光発電システムを設置できるケースはありますが、 屋根の補強が必要な場合や、住宅会社によっては対応不可となることもあります。
設置が難しい理由:
- 太陽光パネルは屋根に負担をかけるため、規格住宅の設計上、対応できない場合がある。
- 構造計算のやり直しが必要になる場合も。
対応策:
- 太陽光発電対応の規格住宅 を選ぶ。
- 屋根補強を依頼して追加料金を支払う。
- 設置可能かどうかを事前に打ち合わせで確認。
スキップフロアを追加できる?
スキップフロア(中2階や多層階)を追加するには大規模な設計変更が必要になるため、 一般的な規格住宅では対応が難しい です。
理由:
- スキップフロアの追加は間取りや構造計算に大きな影響を与えるため、規格住宅の設計コンセプトから外れる。
解決策:
- 最初からスキップフロアを採用した規格住宅を選ぶ。
- 中2階(1.5階)の間取りを持つ商品を提供する住宅会社に相談。
規格住宅のメリットとデメリットのまとめ
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
コスト | オーダー住宅に比べて安価。 | 土地の形状や設計変更で追加費用が発生する場合も。 |
工期 | 3ヵ月程度で完成。 | 土地の整備が必要な場合は工期が延びる可能性。 |
間取りの自由度 | 標準仕様でも十分使いやすい設計が多い。 | 狭小地や変形地には対応が難しい。 |
性能 | 耐震等級や断熱等級の高い商品も多く、選択肢がある。 | 性能を高める仕様変更には追加費用が必要。 |
まとめ
規格住宅は「低価格で高品質」をコンセプトにした住宅形態であり、コストを抑えつつ一定の性能を確保した家を建てたい人に向いています。
ただし、間取りや設備選びの自由度はオーダー住宅に比べて低いため、性能や仕様を十分確認しながら進めることが大切です。
選び方のポイント:
- 住宅会社の性能や対応力を比較する
- 耐震等級や断熱性能を必ず確認。
- 土地条件を慎重に確認する
- フラットで標準的な土地が規格住宅に向いています。
- 希望に合った規格住宅を探す
- スキップフロアや太陽光発電対応など、希望条件に合った商品を選ぶ。
予算内で理想の家を建てるためには、カタログを取り寄せて複数の住宅会社を比較検討することが重要です。
規格住宅を正しく理解し、家族のニーズに合った最適な選択をしてください。