4LDKの注文住宅の価格相場と間取り例について
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4LDKの注文住宅を建てる場合の価格相場や間取り例について、詳しくご紹介します。
注文住宅は間取りや広さを自由に設計できることが魅力ですが、選択肢が多いため、費用感やスペースの使い方を理解しておくことが重要です。
SUUMOカウンターが行った調査によると、注文住宅を建てる人のうち、43.7%が4LDKを選んでいることがわかりました。
このデータは、4LDKが多くの家族にとって最適な間取りであることを示しています。
また、この記事では建築費用の相場や住宅会社選びのポイントも解説していますので、家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。
4LDKの家を建てるのに必要な広さと坪数
2022年に住宅金融公庫が「フラット35」利用者を対象に実施した調査によると、注文住宅の住宅面積の全国平均は123.8㎡(約37.4坪)です。
この数値は、2014年度以降8年連続で縮小傾向にあります。
さらに、国土交通省が策定した「住生活基本計画」に基づき、家族の人数別に必要な坪数と間取りの目安は以下の通りです。
家族構成 | 建物の面積(坪数) | 間取りの目安 |
---|---|---|
2人家族 | 50㎡~75㎡(16.4坪~22.7坪) | 1LDK~2LDK |
3人家族 | 75㎡~100㎡(22.7坪~30.2坪) | 2LDK~3LDK |
4人家族 | 95㎡~125㎡(28.7坪~37.8坪) | 3LDK~4LDK |
5人家族 | 115㎡~150㎡(34.8坪~45.3坪) | 3LDK~5LDK |
このデータを見ると、全国平均の123.8㎡は4人~5人家族に適した広さであり、4LDKを選ぶ家族が多い理由もうなずけます。
4LDKの住宅を設計する際、二階建てと平屋では居住空間の使い方に違いがあります。
同じ延床面積でも、階段や通路の有無がスペースの有効活用に影響します。
ここでは、具体例をもとに二階建てと平屋の違いを比較します。
二階建てと平屋の比較
【4LDK、二階建ての間取り例】
【4LDK、平屋の間取り例】
住宅タイプ | 延床面積 | 坪数 |
---|---|---|
二階建て | 120.89㎡ | 36.5坪 |
平屋 | 119.24㎡ | 36.0坪 |
この二つの住宅は、延床面積がほぼ同じ36坪ですが、間取りの特徴に違いがあります。
たとえば、LDKの広さは、二階建てが18帖であるのに対し、平屋では22帖と広く、さらにパントリーが付いている点が特徴です。
平屋では階段スペースが不要なため、その分を居住スペースに充てることができます。
一般的に、階段には1階と2階を合わせて約2坪(4畳分)が必要であり、さらに二階建てではホールや通路のスペースも必要になります。
そのため、平屋の方が4~5坪程度多く居住空間を確保できます。
一戸建てとマンションの4LDKの広さ比較
次に、一戸建てとマンションでの4LDKの広さを比較してみます。
同じ4LDKでも、全体的な居住面積には大きな違いがあります。
【4LDK、二階建ての間取り例】
【4LDK、分譲マンションの間取り例】
住宅タイプ | 面積 | 坪数 |
---|---|---|
二階建て | 120.89㎡ | 36.5坪 |
分譲マンション | 85.43㎡ | 25.8坪 |
マンションの4LDKは平均して85㎡程度の広さしかなく、坪数にすると約25.8坪です。
一方、戸建て住宅の4LDKは平均して120㎡(36坪)と、約11坪の差があります。
この11坪は畳に換算すると22畳分に相当します。
マンション販売の営業担当者は、「戸建ては階段や通路にスペースを取られるため、マンションと比べて居住空間はそれほど変わりません」と説明することがあります。
しかし、実際に間取り図を比較すると、戸建ての方が全体的にゆとりのある広さを確保できることがわかります。
4LDKの家を建てるのに必要な予算について
4LDKの注文住宅を建てる際、建物の構造やハウスメーカーによって費用が大きく異なります。
ここでは、延床面積35坪を目安に、予算の相場を詳しく解説します。
価格帯を理解することで、自分たちの理想の家に近づけるための具体的な計画を立てやすくなります。
大手ハウスメーカーとローコスト住宅の比較
同じ35坪の注文住宅を建てる場合でも、大手ハウスメーカーとローコスト住宅では費用に大きな違いがあります。
それぞれの価格相場を見てみましょう。
【35坪の注文住宅を建てた場合の費用相場】
業者タイプ | 本体工事価格(建物のみ) | 総建築費(建物+付帯工事+諸経費) |
---|---|---|
大手ハウスメーカー | 約2,800万円 | 3,500万~3,700万円 |
ローコスト住宅 | 約2,100万円 | 2,600万~2,800万円 |
例えば、大和ハウスやセキスイハイムといった大手ハウスメーカーで35坪の4LDKを建てる場合、総建築費は3,500万円を超えることが一般的です。
一方、タマホームやレオハウスといったローコスト住宅メーカーでは、同じ35坪の4LDKでも総費用を約2,600万円に抑えられます。
これにより、大手とローコスト住宅の間には約1,000万円の予算差が生じます。
構造別の価格相場
建物の構造によっても建築費用は異なります。それぞれの特徴と価格帯を以下にまとめます。
構造タイプ | 本体工事価格(目安) |
---|---|
木造住宅(建物のみ) | 2,100万~2,600万円 |
鉄骨住宅(建物のみ) | 約2,800万円 |
鉄筋コンクリート住宅(建物のみ) | 約3,000万円 |
木造住宅
木造住宅は最も選択肢が広く、ローコスト住宅から大手ハウスメーカーまで多様な業者が提供しています。そのため、価格帯にも幅があります。
鉄骨住宅
鉄骨住宅は木造住宅に比べて耐久性や耐震性が高く、建築費用も高めになります。特に大手ハウスメーカーが採用していることが多いです。
鉄筋コンクリート住宅
マンションなどに採用される鉄筋コンクリート構造は、耐久性と断熱性に優れていますが、3つの構造の中で最も費用がかかります。
土地の有無による費用の違い
土地をすでに所有している場合と、新たに購入する場合でも予算に違いが出ます。
それぞれのケースを解説します。
土地がある場合
土地を所有しているケースでは土地代が不要ですが、既存の建物がある場合には解体費が発生します。
- 解体費用:30坪~40坪の木造住宅で約200万円
- 測量費用:確定測量が必要な場合、100万円以上かかることがあります。
土地を購入する場合
土地を新たに購入する場合、地域ごとの地価相場を把握しておくことが重要です。以下は主要都市の1坪あたりの土地価格相場です。
地域 | 坪単価(目安) |
---|---|
東京都 | 約383万円 |
大阪府 | 約105万円 |
愛知県 | 約73万円 |
福岡県 | 約68万円 |
北海道(札幌市) | 約26万円 |
札幌市は北海道全体の平均相場になっているので、札幌市のみだと1坪あたりは35万円~40万円程度です。
同じ金額で購入した土地でも、造成費用や水道・ガスの引き込み工事費が追加で発生する場合があります。
費用を抑えたい場合は、これらの工事が不要な分譲地を選ぶとよいでしょう。
マイホームを検討している方には、大手住宅ポータルサイト「LIFULL HOME’S」の注文住宅カタログ請求を活用することをおすすめします。
【おすすめ理由】
- 無料でカタログを請求できる:費用がかからず気軽に利用できます。
- 予算や建設予定地を考慮した情報が得られる:自分たちに合った住宅プランを見つけるきっかけになります。
- 理想のマイホームをイメージできる:デザインや間取りの参考資料が豊富です。
ただし、カタログでは具体的な間取りや詳細な見積もりを得ることはできません。さらに詳しい情報が必要な場合は、家づくりプランの依頼を検討するのがよいでしょう。
4LDK一軒家の人気間取り例
4LDKの一軒家は、多くの家族にとって理想的な間取りとして人気があります。
今回は、延床面積35坪~40坪の住宅を中心に、特徴的な間取り例をご紹介します。
それぞれの間取りには、家族のライフスタイルに合わせた工夫が施されています。
リビング階段がある間取り
ハウスメーカー:City House
延床面積:120.06㎡(36.32坪)
こちらは、人気のリビング階段を採用した4LDKの間取りです。
リビング階段は、家族が自然と顔を合わせる機会が増えるため、コミュニケーションが取りやすくなるというメリットがあります。
最近の住宅は高気密・高断熱仕様となっているため、リビング階段でもエアコンが効きにくいという心配はほとんどありません。
ただし、料理の匂いや話し声が2階に届きやすいという特性があるため、気になる場合は階段部分にドアを設置することがおすすめです。
また、この間取りでは帰宅動線にも配慮されており、シューズクロークから直接キッチンに行ける設計になっています。
さらに、1階と2階の間仕切り壁の位置を揃えることで、建築コストを抑える工夫もなされています。
家事らく動線の間取り
ハウスメーカー:クレバリーホーム
延床面積:134.7㎡(40.7坪)
この間取りは、2階建て40坪の広々とした4LDK住宅です。
キッチンとダイニングテーブルが横並びに配置されることで、食事の準備や片付けがスムーズになります。
また、キッチンの裏には広めのランドリールームが設置されており、洗濯から片付けまでの家事動線がよく考えられています。
さらに、小さなお子さんが畳コーナーで遊んでいる様子をキッチンから見守ることができる設計になっています。LDK全体が見渡せるレイアウトは、子育て中の家庭にとって非常に安心です。
家事や子育てに配慮しつつ、デザイン性や暮らしやすさにもこだわった間取りが魅力の住宅です。
大きな吹き抜けがある間取り
ハウスメーカー:パパまるハウス
延床面積:129.18㎡(39.07坪)
この住宅は、1階27.5坪、2階11.5坪の部分二階建て4LDKです。
リビング上部に大きな吹き抜けが設けられており、開放感が魅力的な間取りです。
総二階が主流となる中、あえて部分二階を採用している理由は、老後の暮らしを見据えて1階だけで完結する生活ができるようにするためです。
1階にはLDKのほかに洋間が2部屋設けられており、将来的にも快適に暮らせる設計になっています。
吹き抜けによるデザイン性と、実用的な生活空間の両立が特徴的な住宅です。
広いLDKがある平屋の間取り
ハウスメーカー:セキスイハイム
延床面積:138.52㎡(41.89坪)
この平屋の間取りでは、広いLDKが特徴的で、庭との一体感を重視したデザインが目を引きます。
アイランドキッチンが庭に向けて設置されているため、子どもが庭で遊んでいる様子を料理をしながら見守ることができます。
さらに、キッチン、洗面脱衣室、浴室が隣接して配置されているため、家事や子育てがスムーズに行える設計になっています。
玄関を境にLDKと各個室が分けられており、プライバシーも確保されています。
ただし、LDK部分の収納スペースが不足しているように感じられるため、収納力を重視する家庭では検討が必要です。
予算や特徴別に見るおすすめのハウスメーカー
4LDKの新築住宅を検討する際、木造住宅や鉄骨住宅などの構造、さらには大手ハウスメーカーとローコスト住宅メーカーの違いなど、さまざまな選択肢があります。
それぞれの特性や価格帯を理解することで、自分たちに最適な家づくりが可能になります。
ここでは、4LDKの注文住宅を建てる際におすすめのハウスメーカーを5社ご紹介します。
アキュラホーム
アキュラホームは、間取りの自由度が高い木造軸組工法を採用しているハウスメーカーです。
耐震性や耐久性に優れた家づくりを手掛ける一方で、価格帯はリーズナブルであり、長期優良住宅の基準をしっかりと満たしています。
おすすめ商品:超空間の家
この住宅は、独自技術による高い耐震性・耐風性が特徴です。
木造住宅でありながら天井高2.8m、約6mのワイド開口を実現しており、大空間を楽しめる設計となっています。
2023年9月には相葉雅紀さんがCMキャラクターに就任し、さらに注目を集めています。
→アキュラホームの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ
セキスイハイム
セキスイハイムは、自社独自の「ユニット工法」を採用しており、建物の強度と自由度の高い設計が可能です。
この工法は、高層ビル建築にも応用される「ボックスラーメン構造」を基にしており、耐震性や省エネ性に優れています。
おすすめ商品:パルフェ
セキスイハイムのベストセラー商品「パルフェ」は、省エネ住宅を得意とするハイムらしい設計で、太陽光発電や蓄電池を搭載したエコな暮らしを提供します。
→セキスイハイムの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ
一条工務店
一条工務店は、高い耐震性と断熱性を持つ住宅をリーズナブルな価格で提供することで知られています。
2019年と2020年には「最も売れている注文住宅会社」としてギネス世界記録に登録されるなど、実績も豊富です。
おすすめ商品:アイ・スマート
この商品は、一条工務店の住宅展示場がほぼ標準仕様で建てられているため、完成後の住まいを具体的にイメージしやすい点が魅力です。
タマホーム
タマホームは、ローコスト住宅メーカーの中でも特に知名度が高く、長期優良住宅対応の家づくりが可能です。
柱には良質な木材を使用し、「木材生産地証明書」を発行してくれる点も安心です。
おすすめ商品:えがおの家
2023年に発売された「えがおの家」は、タマホームの最高スペック住宅で、HEAT20・G3水準(UA値0.23)を達成しています。
従来の高断熱住宅「大地の家」を超える性能で、快適な暮らしを提供します。
桧家住宅
桧家住宅は全館空調「Z空調の家」が特徴のハウスメーカーです。
リーズナブルな価格でありながら、全館空調システムを標準装備しており、快適な住環境を実現しています。
さらに、ヤマダ電機との提携により、家具や家電をお得に購入できるメリットもあります。
→桧家住宅の間取りや坪単価の解説はこちらのページへ
4LDKの間取りを考える際によくある疑問・失敗例
4LDKの間取りを考える際の失敗例や、紹介しきれなかった質問や疑問をまとめてみました。
各部屋が狭くなりがち
3LDKから4LDKにする際、建物の大きさを変えずに部屋数を増やそうとすると、1部屋あたりの広さが十分に確保できないことがあります。
例えば、延床面積35坪の住宅で3LDKと4LDKを比較すると、LDKや収納スペースが犠牲になる場合があります。
快適に暮らせることが大前提で、部屋の広さを無理に削って4LDKにするのはおすすめしません。
家事をしていると子どもに目が届かない
建築面積を抑えながら部屋数を増やすと、家事をしている間に子どもの様子が見えづらくなるレイアウトになることがあります。
小さなお子さんがいる家庭では、キッチンからLDK全体を見渡せるような設計が大切です。
将来使わない部屋が増える
子どもが成長し独立した後、使わない部屋が増えてしまうことがあります。
2階に4部屋設けた場合、将来的に空き部屋が3つもできてしまうケースも少なくありません。
そのため、リフォームの可能性も考慮した計画が必要です。
4LDKと3LDKどちらがいいのか?
家族の生活スタイルや趣味によって、4LDKか3LDKかを選ぶポイントが変わります。
- 荷物が多い家庭には、土間収納やファミリークローゼットを設けた3LDKがおすすめです。
- 子どもが中学生以上であれば、それぞれが個室を持つ時間が増えるため、4LDKが適しています。
- 小さな子どもがいる場合、大きな1部屋を設けて将来的に仕切れるようにする柔軟な設計も選択肢です。
4LDKの家を安く建てる方法
建築費用を抑えるには、以下の方法が有効です。
- 規格住宅の活用
あらかじめ間取りが決まった規格住宅を選ぶことで、建築費を抑えることができます。ただし、完全自由設計ではないため、事前に仕様を確認しましょう。 - 建売住宅の購入
すでに完成している建売住宅を購入することで、注文住宅に比べて費用を抑えることが可能です。
まとめ
4LDKの住宅は、幅広い家族構成やライフスタイルに対応できる人気の間取りです。
ただし、部屋数だけにこだわるのではなく、家事動線や将来のライフプランを考慮することが重要です。
今回ご紹介したハウスメーカーや間取りの考え方を参考に、ぜひ理想の住まいを実現してください。
4LDKのメリットとデメリットを簡単にまとめると、
メリット | デメリット |
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・家族それぞれ個室を持つことができる ・趣味や来客用の部屋がつくれる ・将来家族が増えても対応しやすい | ・子供が巣立ったあと空き部屋が増える ・家事動線が複雑になりやすい ・各部屋の面積が狭くなりがち |
4LDKでも3LDKの場合だと4LDKにする方が建築費が高くなると思っている方も多いようですが、建物の面積が同じであれば、基本的な建築費は大きく違いません。