40坪の家だと狭い?二階建て、平屋の間取り例と新築の価格目安
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国土交通省の「住生活基本計画」によると、家族が快適に暮らせる住宅の広さは「25㎡×世帯人数+25㎡」とされています。
この計算式を4人家族に当てはめると、理想的な広さは約125㎡(37.81坪)となります。
フラット35利用者調査(2020年度)でも、注文住宅の平均床面積が124.4㎡(約38坪)とされており、40坪前後の家が多くの家族に適した広さであることがわかります。
今回は40坪の注文住宅を建てるのに必要な予算、人気の間取りなどを解説するので、ぜひ参考にしてください。
40坪の家を建てるのに必要な予算相場は?
注文住宅を建てる際には、「坪単価×家の広さ(坪数)」だけでなく、以下の3つの費用が必要です。
- 本体工事価格(建物を建てるための直接費用)
- 付帯工事費(地盤改良や引き込み工事、外構工事など建物に付随する費用)
- 諸経費(火災保険、登記費用、住宅ローン手数料など)
たとえば、坪単価60万円で40坪の家を建てた場合、以下のような総費用が必要です。
付帯工事費 約480万円
諸経費 約240万円
総費用 2,400万+480万+240万=3,120万円
土地を購入する場合は、さらに土地の費用が加算されます。
費用の種類 | 主な内容 |
---|---|
本体工事費 | 建物を建てるために直接的に必要な材料や施工費など ・基礎工事 ・木工事 ・内装 ・足場など |
付帯工事費 | 建物に付帯(関連)した費用という意味 ・地盤改良費 ・ガス・水道・電気などの引き込み工事費 ・駐車場や塀などの外構工事費のこと |
諸経費 | 工事以外でかかる費用という意味 ・火災保険 ・住宅ローン手数料 ・登記費用 ・土地購入時の仲介手数料など |
初めて家を建てる場合、予算の全体像を把握するのが難しいこともあります。
その際には、LIFULL HOME’Sの「予算シミュレーター」を利用するのがおすすめです。
このツールを使えば、月々の支払額から逆算して必要な予算を把握することができ、理想の家づくりをスムーズに進められます。
では上記を把握した上で、ハウスメーカーの価格帯別に必要な費用相場を確認していきましょう。
ローコスト住宅メーカーの場合
ローコストのハウスメーカーで40坪の家を建てた場合の目安費用は下記となります。
種類 | 本体工事価格 | 総費用の目安 |
---|---|---|
平屋 | 1,800万円 | 2,340万円 |
部分2階※① | 1,680万円 | 2,184万円 |
2階建て | 1,600万円 | 2,080万円 |
3階建て | 1,880万円 | 2,444万円 |
ローコストメーカーでは、坪単価が40~50万円程度で40坪の家を建てることが可能です。
総費用の目安は2,100万円~2,500万円となります。以下に代表的なローコストメーカーを紹介します。
アキュラホーム
社名 | 株式会社アキュラホーム |
本社住所 | 東京都新宿区西新宿2-6-1 |
坪単価 | 45万~60万円 |
工法 | 木造軸組在来工法 |
オリコン満足度調査 | 15位(2022年) |
ホームページ | https://www.aqura.co.jp/ |
アキュラホームは、コストパフォーマンスが良い注文住宅を提供するハウスメーカーです。
特に省エネ性能や耐震性に優れた自由度の高い家づくりが評価されています。
マイクロソフトはかつて「ローコスト住宅」の先駆けとてきましたが、最近では太陽光システムや全館空調などの省エネ住宅にも開発力を入れています。住宅の提案にも積極的です。
そのため、アキュラホームは現在「ローコスト」というよりも、ミドルコストのハウスメーカーとして認識されようとなっています。
適正価格で高性能住宅を建てたい方には、ぜひおすすめの選択肢です。
アイフルホーム
社名 | 株式会社LIXIL住宅研究所 (アイフルホームカンパニー) |
本社住所 | 東京都江東区亀戸1-5-7 |
坪単価 | 40~65万程度 |
工法 | 木造軸組工法 |
オリコン満足度調査 | 15位(2022年) |
ホームページ | https://www.eyefulhome.jp/ |
アイフルホームは、日本臨時木造住宅のフランチャイズ制を導入したパイオニアです。
国内には約180の加盟店があり、全国どこでも安定した品質の住宅を提供しています。
フランチャイズ制度を活用することで、工務店とハウスメーカーそれぞれの強みを活かした効率家づくりが可能です。この仕組みにより、商品開発力とコスト削減を両立しています。
また、アイフルホームを運営するのは、住宅設備業界で最も手に優しいLIXILグループです。
同グループには「GLホーム」や「フィアスホーム」などもあって、幅広い選択肢が魅力です。
リーズナブルな価格で安心できる家づくりを考えている方に適したハウスメーカーです。
タマホーム
社名 | タマホーム株式会社 |
本社住所 | 東京都港区高輪3丁目22番9号 タマホーム本社ビル |
坪単価 | 38万~50万円 |
工法 | 木造軸組工法 |
オリコン満足度調査 | 21位(2022年) |
ホームページ | https://www.tamahome.jp/ |
タマホームは、ローコスト住宅の先駆者として知られるハウスメーカーです。
シンプルで良質な住宅を低価格で提供しており、幅広い世代からサポートされています。
注目の商品としては、標準仕様が充実している「大安心の家」があります。
さらに、寒冷地向けには高断熱住宅「大地の家」も人気です。地域の特性や予算に応じて最適な住宅を提案してくれるのが強みです。
タマホームは、低予算で高品質の住宅を建てたい方に最適な選択肢です。
特に初めて家を建てる方や、コストを重視したい方におすすめです。
まとめ
これら3社は、それぞれの特徴的な強みを持ったハウスメーカーです。
- アキュラホーム:高性能で自由度の高い家づくりを適正価格で提供
- アイフルホーム:フランチャイズ制を活用したコスト効率の良い家づくり
- タマホーム:ローコスト住宅のパイオニアで、低価格ながら高品質な家づくり
私たちの予算やライフスタイルに合ったメーカーを選び、失敗のない家づくりを目指しましょう。
カタログを取り寄せたり、展示場を訪れることで、より具体的なイメージが湧きやすくなります。
ミドルコスト住宅メーカーの場合
ミドルコストのハウスメーカーで40坪の家を建てた場合の目安費用は下記の通りです。
種類 | 本体工事価格 | 総費用の目安 |
---|---|---|
平屋 | 2,520万円 | 3,276万円 |
部分2階 | 2,440万円 | 3,172万円 |
2階建て | 2,400万円 | 3,120万円 |
3階建て | 2,600万円 | 3,380万円 |
ミドルコストメーカーの平均坪単価は50~70万円程度です。
40坪の家を建てる場合の総費用は3,100万円~3,400万円が目安です。
以下に代表的なメーカーを紹介します。
クレバリーホーム
社名 | 株式会社クレバリーホーム |
本社住所 | 千葉県君津市東坂田4丁目3番3号 4階 |
坪単価 | 50万円~70万円 |
工法 | 木造軸組工法 |
オリコン満足度調査 | 12位(2022年) |
ホームページ | https://www.cleverlyhome.com/ |
クレバリーホームは、高級感のある外壁タイルが特徴のハウスメーカーです。
タイル外壁を標準仕様していることで、「美しさ」「強さ」「健やかさ」を重視した家づくりを実現しています外壁タイルは耐久性が高く、汚れが付きにくいのが特徴で、長い目で見たときのメンテナンスコスト削減にもつながります。
全国にフランチャイズ制を導入しているため、47都道府県すべてで家を建てることが可能です。
2022年3月時点で、全国に154店舗を展開しており、地域密着型のサービスと全国的なものネットワークの両方を持っています。
また、クレバリーホームは「グッドデザイン賞」や「キッズデザイン賞」を複数回受賞しており、デザイン性だけでなく機能性にも優れた家づくりが評価されています。
ヤマダホームズ
社名 | 株式会社ヤマダホームズ |
本社住所 | 群馬県高崎市栄町1番1号 |
坪単価 | 48万円~70万円 |
工法 | 木造軸組工法、2×4、2×6、木質系プレハブ |
オリコン満足度調査 | 23位(2022年) |
ホームページ | https://yamadahomes.jp/ |
ヤマダホームズは、「暮らしに合わせた住まいのかたち」をテーマに、家族それぞれのライフスタイルに最適な住まいを提案するハウスメーカーであり、長く安心して暮らせる住まいを提供しています。
また、ヤマダ電機の社長という背景を相談、家電の専門店ならではのノウハウが豊富です。そのため、住宅と家電の融合による、快適で豊かな住まいづくりを提案してくれます。
また省エネ設計や、家電付きのパッケージプランなどが人気です。
ヤマダホームズは、多様な工法を採用しており、木造軸組工法や2×4工法、さらには木質系プレハブにも対応しています。
これにより、自由度の高い設計が可能です。対応できるため、初めて家を建てる方法からリフォームを検討している方まで、多くの人に選ばれています。
トヨタホーム
社名 | トヨタホーム株式会社 |
本社住所 | 愛知県名古屋市東区泉1丁目 23番 22号 |
坪単価 | 55万円~80万円 |
工法 | 鉄骨系プレハブ |
オリコン満足度調査 | 11位(2022年) |
ホームページ | https://www.toyotahome.co.jp/ |
トヨタホームは、その名の通り、世界的な自動車メーカーであるトヨタグループが取り扱うハウスメーカーです。
「トヨタクオリティ」を住宅にも反映し、丈夫で高品質な住まいを提供しています。
トヨタホームが求める3つの安心は、以下の通りです。
- 建てるときの安心:トヨタグループの技術力を活かした高品質な施工
- 建てたあとの安心:長期保証とアフターサポートが充実
- トヨタグループの総合力で支え続ける安心:資材調達から施工、アフターメンテナンスまで一貫体制
トヨタホームは、鉄骨系プレハブ工法を採用しており、耐震性や耐久性が非常に高い住宅を実現しています。
戦後の焼け野原をみてトヨタ創業者の豊田喜一郎氏が感じたのは「燃える家ではダメだ」という思い。
それはトヨタホームが今でも掲げている家づくりの原点になっており鉄骨住宅に強いこだわりを持っております。
また、トヨタグループのDNAを活かし、世界基準のモノづくりを住宅にも応用。
デザイン性と機能性を両立した家づくりが特徴です。トヨタホームは、長期的な住み心地や資産価値を重視する方にぴったりの選択肢を考えます。
まとめ
これら3社にはそれぞれの強みがあります。
- クレバリーホーム:高級感のある外壁タイルと全国対応のフランチャイズシステムが特徴
- ヤマダホームズ:ヤマダ電機の知恵を相談、家電と住まいを融合させた提案が得意
- トヨタホーム:トヨタグループの技術力を活かした高品質な鉄骨住宅が魅力
私たちの予算やイメージをする住まいのスタイルに合わせて、それぞれのハウスメーカーを検討してみてください。 まずはカタログを取り寄せ、具体的なところから始めましょう。
大手ハウスメーカーの場合
大手ハウスメーカーで40坪の家を建てた場合の目安費用は下記となります。
種類 | 本体工事価格 | 総費用の目安 |
---|---|---|
平屋 | 3,200万円 | 4,160万円 |
部分2階 | 3,120万円 | 4,056万円 |
2階建て | 3,000万円 | 3,900万円 |
3階建て | 3,400万円 | 4,420万円 |
大手ハウスメーカーでは、坪単価が70~100万円と高めですが、その分ブランド力や高品質な家づくりが特徴です。
40坪の家を建てる際の総費用は、4,000万円以上になることが一般的です。
三井ホーム
社名 | 三井ホーム株式会社 |
本社住所 | 東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル53階 |
坪単価 | 70万円~100万円 |
工法 | 2×4、2×6(プレミアム・モノコック構法) |
オリコン満足度調査 | 6位(2022年) |
ホームページ | https://www.mitsuihome.co.jp/home/ |
三井ホームは、その名の通り三井グループが展開する高級ハウスメーカーで、特に開業医や弁護士といった高成果層にサポートされています。
三井ホームの特徴は、各分野のプロフェッショナルが連携して住まいを建築デザインするポイントです。
「家」「インテリアコーディネーター」「エクステリアデザイナー」近隣住宅ごとに集まり、住まい全体のデザインを統一します。
外観から内装、庭のデザインに至るまで、完全オーダーメイドの住まいを実現しています。
また、三井ホームが独自に開発した「プレミアム・モノコック構法」は、従来の2×4工法をさらに進化させたものです。
この工法により、高い耐震性と耐久性を備えた家を建てることができます。
さらに、全館空調システム「スマートブリーズ」を組み合わせた住宅は、高気密・高断熱で快適な室内環境を実現できます。
これらの特徴から、三井ホームは「デザイン性」と「住み心地の良さ」を両立させた高品質な住宅を提供するハウスメーカーとして高い評価を受けています。
三菱地所ホーム
社名 | 三菱地所ホーム株式会社 |
本社住所 | 東京都新宿区東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア7階 |
坪単価 | 70万円~90万円 |
工法 | 2×4、2×6工法 |
オリコン満足度調査 | 圏外 ※高評価企業ランクイン |
ホームページ | https://www.mitsubishi-home.com/ |
三菱地所ホームは、日本を代表する三菱地所グループが今後の住宅事業部門で、グループ唯一のハウスメーカーです。
不動産総合デベロッパーとしての経験と実績を踏まえ、個人向けの注文住宅を提供しています。
三菱地所ホームの最大の特徴は、「全館空調のエアロテック」と「高気密高断熱」の家づくりです。
エアロテックは、一年を通して家全体を快適な温度に置くことができる空調システムで、特に夏の暑さや冬の寒さが厳しい地域でその真価を発揮します。
家のどこにいても温度差を感じにくいため、高齢者や子どもがいる家庭にも安心です。
また、2×4や2×6工法を採用し、耐震性や断熱性能を高めた住宅を提供しています。
その屋根、デザイン性にもこだわり、決められた住宅をご提案してくれるポイントが魅力です。
ただし、営業拠点は2022年時点で関東地方と近畿地方に限定されています。
これらのエリアで家を建てる場合には、非常に頼りになる選択肢ですが、他の地域で検討する場合は注意が必要です。
まとめ
三井ホームと三菱地ホームは、どちらも高品質な住宅を提供するハウスメーカーで、それぞれ得意分野があります。
- 三井ホーム:デザイン性を重視した完全オーダーメイド住宅が魅力。建築家とデザイナーが連携して、家全体の調和を図った美しい住まいを実現します。
- 三菱地所ホーム:全館空調システム「エアロテック」を中心に、高気密・高断熱で快適な住まいを提供します。温度差のない快適な環境を求めるご家庭におすすめです。
これから選ぶか、予算や地域性、自分たちが重視したいポイントをよく考えて検討することが大切です。
まずはカタログを取り寄せたり、モデルハウスを見学して具体的なイメージを進めることをおすすめします。
快適な家をつくるための間取り見本
今回は、40坪の家を建てる際のさまざまな間取りパターンを紹介します。
具体的な間取り例とともに、家づくりで注意すべきポイントやアドバイスを詳しく解説します。
家づくりでは、同じ「40坪の家」でもハウスメーカーや設計士によって間取りの工夫や設備内容が異なります。
事前に十分な情報収集を行うことで、理想の住まいに近づけることができます。
近くに展示場がない場合でも、LIFULL HOME’Sなどのポータルサイトを利用して、気になるハウスメーカーのカタログを取り寄せるのがおすすめです。
無料で取り寄せられるカタログを基に、自分の希望や予算に合った間取りを探してみましょう。
2階建ての間取り例
社名 | 住友林業 |
商品名 | Forest Selection BF |
延床面積 | 129.18㎡(39.06坪) |
間取り | 4LDK |
1階と2階の面積がほぼ同じシンプルな構造は、建築コストを抑えられる上、耐震性にも優れています。
この例では、1階に独立した和室を設け、祖父母が泊まれるスペースや客間として活用できます。
また、2階には大型収納があり、荷物の多い家庭でも安心です。
注意点として、玄関が少し狭く感じられる点と、収納が全体的にやや少ない点が挙げられます。
玄関周りに靴やコートを収納できるスペースがあると、さらに便利になるでしょう。
部分2階の間取り例
社名 | タツノコホーム |
商品名 | プレスト |
延床面積 | 135.80㎡(41.0坪) |
間取り | 5LDK |
「部分2階」とは、1階の床面積が広く、2階の床面積が狭い構造のことです。
総二階より割高になりますが、1階を広く確保したい場合に適しています。
この例では、1階に広々としたLDKを設け、2階には必要最低限の部屋を配置しています。
リビングを家族の中心にしたい方や、小さなお子さんがいる家庭におすすめです。広い空間が確保されているため、家族全員が快適に過ごせます。
平屋の間取り例
社名 | パナソニックホームズ |
商品名 | ウチとソトをつなぐ平屋 |
延床面積 | 128.47㎡(38.86坪) |
間取り | 3LDK |
平屋住宅は、同じ40坪でも階段が不要なため、居住スペースを広く取れるのが特徴です。
この例では、玄関横に洗面台を設置して帰宅後すぐに手洗いうがいができる工夫や、キッチン横に設けた見守りスペースなど、家事や育児がしやすい動線が特徴です。
また、LDKから繋がるウッドデッキが設置されており、室内と室外のつながりを感じられる点も魅力的です。
庭やウッドデッキでのアウトドアリビングを楽しみたい方におすすめです。
3階建ての間取り例
社名 | セキスイハイム |
商品名 | デシオ |
延床面積 | 136.86㎡(41.4坪) |
間取り | 4LDK |
3階建て住宅は、土地が狭い場合でも広い住居面積を確保できるのが利点です。
この間取りでは、1階に祖父母の部屋や水まわりを設置し、2階にLDK、3階に子ども部屋や趣味の部屋を配置しています。
3階建ての場合、収納スペースが少なくなりがちなので、事前に収納計画をしっかりと立てることが重要です。
また、階段の移動が増えるため、階段の幅や手すりの設置にも注意しましょう。
ワンポイントアドバイス
1. 事前調査が成功の鍵
間取りを決める際には、実際の展示場に足を運んで空間の広さを体感するのが一番です。近くに展示場がない場合でも、ポータルサイトで取り寄せたカタログを見比べながら、自分たちの暮らしに合った間取りを考えましょう。
2. 優先順位を決める
すべての要望を叶えるのが難しい場合は、家族にとって何が一番大切かを話し合い、優先順位を決めておきましょう。たとえば、LDKの広さ、収納スペースの確保、家事動線の良さなど、家族ごとに異なるポイントを整理しておくとスムーズに進みます。
3. 将来を見据える
子どもが成長した後や老後の暮らしなど、将来を見据えた間取りにすることも大切です。可変性のある部屋や収納の多い家は、長期的に見ても住みやすい家になるでしょう。
おしゃれでカッコいい家の間取り例
これまでは比較的オーソドックスな間取りを中心に紹介してきましたが、今回はおしゃれさやデザイン性、そして独創性にこだわった間取り例を紹介します。
個性を出したい方や、「他とは違う家に住みたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
特におしゃれな家を目指す場合、ハウスメーカー選びが重要です。それぞれ得意分野が異なるため、まずはカタログを取り寄せて、メーカーの特徴や提案力をしっかり比較してみましょう。
ハウスメーカーごとの得意なスタイルやプランを知ることで、理想の住まいづくりがスムーズになります。
近くにモデルハウスがない場合でも、ポータルサイトを利用すれば無料でカタログを取り寄せられるので、ぜひ活用してみてください。
外観がカッコいい回遊動線の家
社名 | ユニバーサルホーム |
商品名 | ビー・コンフィ |
延床面積 | 136.50㎡(41.2坪) |
間取り | 4LDK |
この住宅の最大の魅力は、屋根に向かってのびる傾斜外壁という珍しいデザインです。
外観にインパクトがあり、家全体がスタイリッシュで大きく見える効果があります。
間取りの工夫としては、共働きの夫婦が家事を楽にするために設計された「回遊動線」です。
玄関の土間収納、近くのファミリークローゼット、キッチンや水回りをつなぐ動線がスムーズで、日常の動きやすさが考慮されています。
2階のトイレの配置も各部屋から独立しており、使いやすい間取りです。
シンプルだけどセンスのよい間取りの家
社名 | 不明 |
商品名 | 不明 |
延床面積 | 132.23㎡(40.0坪) |
間取り | 4LDK+書斎 |
1階の中心に配置されたファミリークローゼットが特徴的な間取りです。
このクローゼットが目隠しの役割を果たしており、トイレや洗面所への出入りがリビングから見えにくくなっています。
キッチンを中心に回遊できる間取りはよく見かけますが、ファミリークローゼットを中心にした動線設計は珍しく、家事効率の良さが際立っています。
また、主寝室には独立したウォークインクローゼットを配置し、自由度の高いスペースとして利用可能です。シンプルでバランスの取れた間取りと言えます。
オシャレなR外壁の家
社名 | トヨタホーム |
商品名 | エスパシオEF |
延床面積 | 136.76㎡(41.37坪) |
間取り | 5LDK |
この住宅の目玉は、曲線を描くR外壁です。
美しいデザインが近所でも目を引き、唯一無二の外観に仕上がっています。
間取りの特徴は、夫婦2人と愛猫8匹が快適に暮らすために設計された動物目線の工夫です。
ただし、1階のトイレの配置や収納スペースの不足が少し気になります。
玄関やキッチン周りにもう少し収納を追加すれば、より使い勝手が良くなるでしょう。
凛とした佇まいが目を引く平屋の邸宅
社名 | アーキテックプランニング |
商品名 | classS |
延床面積 | 138.09㎡(41.7坪) |
間取り | 3LDK+多目的スペース |
天井高4.6mのLDKが最大の特徴です。
大きな窓や開放的な空間設計により、面積以上の広さを感じさせます。
また、広い洗面脱衣所が設置されており、洗濯物をたたむスペースやアイロン掛けなど、家事のしやすさも抜群です。
玄関にはシューズクローゼットや物置スペースが設けられ、収納面でも優れています。
LDKには多目的ルームが併設されており、ピアノや趣味のスペースとして活用可能です。
40坪の完全分離二世帯住宅
社名 | アイ工務店 |
商品名 | 二世帯住宅 |
延床面積 | 132.48㎡(40.0坪) |
間取り | 2LDK+小屋裏×2世帯分 |
完全分離型の二世帯住宅で、左右対称の総二階建ての間取りが特徴です。
1階と2階に水回りを分散して配置し、どちらの世帯も快適に過ごせるよう設計されています。
ただし、3階部分の小屋裏部屋については、親世帯ではなく子世帯のスペースとして割り当てたほうが良いかもしれません。
高齢者にとって、階段を頻繁に上り下りするのは負担になる可能性があるためです。
間取りで失敗しないための注意点
家づくりを進める際に特に気を付けたいのが間取りです。
ここでは、40坪の家づくりで失敗しやすいポイントを具体的に挙げながら、失敗を防ぐための工夫やアドバイスをご紹介します。
これからマイホームを建てる方は、ぜひ参考にしてください。
間取りで一番後悔しやすいポイントは「収納」
多くの方が注文住宅を建てた後に「収納で失敗した」と後悔しています。
その原因の一つは、実際にモノを収納してみないと、収納スペースの広さや使い勝手をイメージしづらいことです。
具体的な失敗例としては以下のようなものがあります。
- 玄関近くにコートをかけるような収納スペースもつくっておくべきだった
- クローゼットの奥行やパイプの高さまで考えなく使いづらい
- リビングに収納が少なく、子どものおもちゃなどが散らかる
- キッチンパントリーが小さすぎて使いづらい
これらを防ぐには、「この収納には何を入れるのか」を具体的にイメージしながら設計することが大切です。
特にキッチン周りは家全体で最も収納スペースが必要な場所なので、計画時にはひと回り大きめにしておくことをおすすめします。
洗面脱衣所の広さに注意
最近人気の設備として、ガス乾燥機「乾太くん」があります。
このような乾燥機を導入する場合、従来よりも洗面脱衣所を広く設計する必要があります。
乾燥機を設置する際には、洗濯機の隣にもう1台分のスペースを確保するイメージで考えるとよいです。
これにより、洗面脱衣所が快適に使えるだけでなく、収納や家事スペースも充実させることができます。
乾燥機設置時の注意点
乾燥機を設置する際には専用の設置台を使うことが一般的ですが、高さが問題になることがあります。
特に身長160㎝以下の方には設置台が高すぎて使いづらいという声もあります。
この場合、大工さんに相談して造作家具として設置台を作ってもらう方法があります。
自分の使いやすい高さで設計してもらうことで、ストレスを軽減できます。
少し追加費用はかかりますが、長く使うことを考えれば満足度は高いでしょう。
リビング階段のデメリットを理解しておく
リビング階段は、デザイン性や開放感があり人気がありますが、注意すべきデメリットもあります。
特に以下の点に気を付けましょう。
- 熱、音、臭いが階段を通じて2階に伝わりやすい
- 夜間に来客があった際、子どもが階段を使いづらい
- 階段の位置が固定されるため、2階の間取りが制約される
こうした問題を軽減するには、リビング階段の上り口に引き戸を設置する方法があります。
これにより、熱や音、臭いの流出を抑えることができます。
また、リビング階段を採用する際は、2階の間取りも含めて慎重に検討することが大切です。
営業マンが作成した間取りには要注意
間取りの失敗例としてよくあるのが、「最初に提案された間取りプランから大幅に変更になった」というケースです。
多くの住宅会社では、最初に営業マンが簡単なプラン図を作成します。
しかし営業マンは設計の専門家ではないため、後になって設計士が「この間取りでは無理」と指摘し、大幅な変更を余儀なくされることがあります。
こうしたトラブルを防ぐには、家づくりの初期段階で「家づくりアドバイザー」に相談する方法があります。
たとえば、「HOME4U家づくりのとびら」では、無料で家づくりプランを作成してもらえます。事前に作成してもらったプランを基にハウスメーカーと打ち合わせを進めれば、大幅な変更のリスクを減らすことができます。
スケジュールに余裕を持つことが大切
マイホームづくりで失敗や後悔を防ぐためには、十分なスケジュールを確保することも重要です。
以下のようなケースでは、特に注意が必要です。
- 「子どもが小学校に上がるまでに引っ越したい」
- 「補助金の申請期限までに契約を完了したい」
こうした理由でスケジュールに追われると、間取りや設備に妥協してしまいがちです。
一般的に、マイホームの計画から完成までは最低でも6か月かかります。
余裕を持って計画するためには、少なくとも1年を見込んでスケジュールを立てることをおすすめします。
よくある質問
40坪の注文住宅について、多くの人が疑問に感じるポイントをいくつかピックアップしました。
それぞれの質問にわかりやすく回答し、失敗を防ぐための参考になる情報をお伝えします。
40坪以上の家は固定資産税が高いって本当?
「40坪を超えると税金が高くなる」という話を耳にすることがありますが、これは正確ではありません。
多くの場合、この話は固定資産税に関することだと思われます。
新築住宅には、建物が完成してから一定期間、固定資産税が軽減される措置があります。
この軽減措置では、本来の固定資産税額が2分の1に減額されます。
ただし、この軽減措置が適用されるのは建物の床面積が120㎡(約36.2坪)までです。
これを超える部分には軽減措置が適用されず、通常の固定資産税が課されます。
具体例で解説します。
- 床面積が160㎡(約48.5坪)の新築住宅を建てた場合
- 本来の固定資産税額が16万円だとします
→ 軽減措置が適用される120㎡分:
16万円 × 120㎡ ÷ 160㎡ = 12万円
これが2分の1に減額され、6万円になります。
→ 軽減措置が適用されない40㎡分:
16万円 × 40㎡ ÷ 160㎡ = 4万円
結果、軽減措置適用後の固定資産税は 6万円 + 4万円 = 10万円 となります。
軽減措置が終了すれば全体に通常の税金がかかりますが、初期の負担が軽減されるのはありがたいですね。
2階にトイレは必要ですか?
2階にトイレを設置するかどうかは家族構成や生活スタイルによりますが、迷っている場合は設置することをおすすめします。
将来的に子どもが巣立って2階を使わなくなる可能性もありますが、逆にご両親との同居などで家族が増える可能性も考えられます。
また、急病時や足腰が弱ったときでも、各階にトイレがあると非常に便利です。
ポイント:リフォーム費用と新築時の費用の違い
- 新築時に2階トイレを設置する場合、費用は約20~30万円程度
- 後からリフォームで追加する場合、配管工事や壁の設置などが必要になり、100万円以上かかることも
将来のライフスタイルの変化を考慮すると、新築時に設置しておくのが費用的にもお得です。
断熱玄関ドアって必要ですか?
最近の高気密・高断熱住宅では、窓の断熱性能に注目が集まっています。
しかし、意外と見落とされがちなのが玄関ドアです。
玄関は窓の次に熱が逃げやすい場所ですが、多くの住宅会社では断熱玄関ドアが標準仕様に含まれていないことがあります。
断熱玄関ドアの価格
- 断熱性能が高い玄関ドアの価格は、50万~70万円ほどが相場
- 標準仕様のドアと比べると、かなり高額です
高性能な断熱玄関ドアを導入すれば冷暖房効率が上がり、快適性も向上します。
ただし、コストがかさむため、予算に応じて慎重に選ぶ必要があります。
玄関ドアにこだわりたい方は、性能だけでなくデザインや価格も比較検討することをおすすめします。
まとめ
40坪の注文住宅は間取りの自由度が高い反面、固定資産税や設備選び、間取りの工夫など考えるべきポイントも多くあります。
今回のポイントを整理すると以下のようになります。
- 固定資産税は120㎡(36.2坪)を超える部分に通常税率が適用される
軽減措置期間を利用して初期の負担を軽減できます。 - 2階にトイレを設置するか迷ったら、新築時に設置するのがおすすめ
将来の家族構成の変化を考慮し、リフォーム費用を抑えられるよう計画しましょう。 - 断熱玄関ドアは快適性を上げるが高額なので予算と相談する
冷暖房効率や室内環境を考えつつ、必要性を検討してください。
注文住宅を建てる際は、ハウスメーカーや工務店としっかり話し合い、可能な限り具体的なプランを立てることが重要です。
たくさんの情報を集め、自分たちのライフスタイルに合った家づくりを目指しましょう。失敗を防ぐカギは下調べと事前計画です。