30坪の家の間取り例、広さはどれくらい?平屋と2階建ての価格相場
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住宅ローン「フラット35」利用者調査(2020年度)によると、注文住宅の平均床面積は124.4㎡で、おおよそ38坪にあたります。
しかし、ここ1~2年では30坪~34坪のコンパクトな注文住宅を選ぶ方が増えてきました。
この理由の一つには、ウッドショックによる建築資材の高騰が挙げられます。建築費を抑えるために、少しずつ坪数を減らす選択をする方が増えたのです。
ここでは、30坪の家を建てる際の予算相場や、人気の間取りについて解説していきます。
30坪の家を建てるための予算相場
まず、家づくりの費用構成を確認しましょう。
建築費用は一般に「坪単価×坪数」で計算されることが多いですが、これはあくまでも建物本体の価格です。
実際には、次のように「本体工事費」に加え「付帯工事費」と「諸経費」が必要です。
さらに土地を購入する場合は、別途その費用も考慮する必要があります。
費用の種類と内容
費用の種類 | 主な内容 |
---|---|
本体工事費 | 建物を建てるために直接的に必要な材料や施工費など ・基礎工事 ・木工事 ・内装 ・足場など |
付帯工事費 | 建物に付帯(関連)した費用という意味 ・地盤改良費 ・ガス・水道・電気などの引き込み工事費 ・駐車場や塀などの外構工事費のこと |
諸経費 | 工事以外でかかる費用という意味 ・火災保険 ・住宅ローン手数料 ・登記費用 ・土地購入時の仲介手数料など |
これらを合わせた総額が、注文住宅を建てる際の総費用となります。
理想のマイホームを実現するためには、ハウスメーカーの選定が非常に重要です。
各メーカーが得意とする分野や価格帯が異なるため、複数のカタログを取り寄せて比較してみるのが良いでしょう。
LIFULL HOME’Sなどのポータルサイトを活用すると、予算別に無料でカタログが取り寄せられるので便利です。
次に、ローコスト住宅、ミドルコスト住宅、大手メーカー住宅に分けて、30坪の家を建てるための目安費用をご紹介します。
ローコスト住宅の場合
ローコストメーカーで30坪の家を建てる場合の目安費用は、次のようになります。
種類 | 本体工事価格 | 総費用の目安 |
---|---|---|
平屋 | 1,410万円 | 1,833万円 |
部分2階 | 1,350万円 | 1,750万円 |
2階建て | 1,290万円 | 1,677万円 |
3階建て | 1,500万円 | 1,950万円 |
ローコスト住宅の坪単価は一般に40~50万円で、総費用2,000万円程度で建築可能です。
最も坪単価が安いのは2階建て住宅で、安価なメーカーを選べば1,600万円台で家を建てることもできます。
代表的なローコスト住宅メーカーをご紹介します。
アキュラホーム
社名 | 株式会社アキュラホーム |
本社住所 | 東京都新宿区西新宿2-6-1 |
坪単価 | 45万~60万円 |
工法 | 木造軸組在来工法 |
オリコン満足度調査 | 15位(2022年) |
ホームページ | https://www.aqura.co.jp/ |
アキュラホームは、独自の工務店ネットワークとデータベース「アキュラシステム」を活用して、注文住宅の低コスト化に成功したハウスメーカーです。
過去の膨大な住宅データをもとに、材料費や人件費の効率化を図り、適正価格での住宅提供を実現しています。
さらに、国内最大規模の工務店ネットワーク「ジャーブネット」により、部材の大量仕入れが可能になり、中間マージンの削減も進めています。
このネットワークを通じて、高品質な注文住宅をリーズナブルな価格で提供することが可能です。
→ アキュラホームの間取りや坪単価の詳細はこちらをご覧ください
タマホーム
社名 | タマホーム株式会社 |
本社住所 | 東京都港区高輪3丁目22番9号 タマホーム本社ビル |
坪単価 | 38~50万程度 |
工法 | 木造軸組在来工法 |
オリコン満足度調査 | 21位(2022年) |
ホームページ | http://www.tamahome.jp/ |
タマホームは、ローコスト住宅の先駆者的な存在で、若い世代からも支持されています。
品質に優れた住宅を低価格で提供しており、特に「大安心の家」は、標準仕様が充実した人気の商品です。
さらに、「大安心の家プレミアム」や、仕様を抑えた「木麗な家」など、さまざまなニーズに合わせた商品ラインナップを展開しています。
レオハウス
社名 | 株式会社ヤマダホームズ/レオハウス |
本社住所 | 群馬県高崎市栄町1-1 |
坪単価 | 35万~50万円 |
工法 | 木造軸組在来工法 |
オリコン満足度調査 | 19位(2022年) |
ホームページ | https://www.leohouse.jp/ |
レオハウスは、ヤマダ電機グループに属し、ローコストでありながら自由なプランニングが特徴です。
施主の希望に合わせて標準仕様にプラスアルファのこだわりを加えられる「CoCo」が人気の商品で、他にも「ricca」や災害に強い「NEXIS」などの住宅商品があります。
ヤマダ電機グループの強みを生かし、エアコンや照明だけでなく家電や家具も揃ったスーパーフル装備パックが魅力的です。
→ レオハウスの間取りや坪単価の詳細はこちらをご覧ください
以上のメーカーは、それぞれ異なる特長を持ち、リーズナブルでありながら、品質や機能性の高い住宅を提供しています。住宅選びの際には、自分たちの希望にあった価格帯や仕様がそろうか、複数社のカタログを取り寄せてじっくり検討することをおすすめします。
ミドルコスト住宅の場合
種類 | 本体工事価格 | 総費用の目安 |
---|---|---|
平屋 | 1,950万円 | 2,535万円 |
部分2階 | 1,890万円 | 2,457万円 |
2階建て | 1,860万円 | 2,418万円 |
3階建て | 2,010万円 | 2,613万円 |
ミドルコストとされるハウスメーカーの平均坪単価は50~70万円です。
この価格帯のハウスメーカーは、質と価格のバランスが取れた商品を提供しているため、初めてのマイホーム購入者からも人気があります。
30坪の家を建てる際には、総費用として2,400~2,600万円程度を見積もっておくと良いでしょう。
今回は、ミドルコスト帯で全国展開している代表的なハウスメーカーを3社ご紹介いたします。
また、地域密着型の工務店や住宅会社も同様の価格帯で提供していることが多いため、地元の工務店も選択肢に入れて比較検討すると、理想に近い家が見つけやすくなります。
桧家住宅
社名 | 株式会社 桧家住宅 |
本社住所 | 東京都文京区後楽1-4-14 後楽森ビル12F |
坪単価 | 50万円~60万円 |
工法 | 木造軸組在来工法 |
オリコン満足度調査 | 18位(2022年) |
ホームページ | https://www.hinokiya.jp/z/ |
桧家住宅は、フランチャイズを通して全国各地の工務店と提携しており、地域密着型のサポートを提供しています。
「Z空調住宅」という冷暖システムを採用した家を提供しており、これは家の内部を快適な温度に保ちつつ、光熱費を抑える新しいシステムです。
Z空調は特許も取得しており、100万円前後のオプション費がかかる場合がありますが、無料キャンペーンを実施していることもありますので、確認しておくと良いでしょう。
→ 桧家住宅の間取りや坪単価について詳しくはこちら
ユニバーサルホーム
社名 | 株式会社ユニバーサルホーム |
本社住所 | 東京都中央区八丁堀二丁目7番1号 八丁堀サンケイビル5階 |
坪単価 | 50万円~70万円 |
工法 | 木造軸組在来工法 |
オリコン満足度調査 | 14位(2022年) |
ホームページ | https://www.universalhome.co.jp/ |
ユニバーサルホームの強みは、標準仕様で採用されている「地熱床システム」と高性能外壁材「ALC」にあります。
地熱床システムは、地熱を利用して床暖房を提供するシステムで、快適な床温度を保ちながら省エネ効果も期待できます。
さらに、ALC外壁材は耐火性・耐久性が高く、この坪単価でこれらの仕様が標準で備わっているのは非常に魅力的です。他社にはない特徴的なシステムを検討される方におすすめです。
→ ユニバーサルホームの間取りや坪単価について詳しくはこちら
GLホーム
社名 | 株式会社LIXIL住宅研究所 |
本社住所 | 東京都江東区亀戸1丁目5番7号 錦糸町プライムタワー |
坪単価 | 55万円~70万円 |
工法 | 2✕4、2✕6工法 |
オリコン満足度調査 | 圏外 |
ホームページ | https://www.glhome.lixil-jk.co.jp/index.html |
GLホームは、LIXILグループに属するフランチャイズ系住宅会社で、アメリカンスタイルやスペイン風のスパニッシュスタイルなど、デザイン性の高い輸入住宅を得意としています。
比較的割高になりやすい輸入住宅ですが、GLホームの坪単価は55~70万円ほどなので、予算的にも十分に手が届く価格帯になっています。
一般的に輸入住宅は割高になりがちですが、GLホームは比較的手が届きやすい価格帯でデザイン性の高い住宅を提供しており、インテリアや外観にこだわりたい方にはおすすめのメーカーです。
→ GLホームの間取りや坪単価について詳しくはこちら
大手ハウスメーカーの場合
種類 | 本体工事価格 | 総費用の目安 |
---|---|---|
平屋 | 2,550万円 | 3,315万円 |
部分2階 | 2,460万円 | 3,198万円 |
2階建て | 2,400万円 | 3,120万円 |
3階建て | 2,700万円 | 3,510万円 |
大手ハウスメーカーの平均坪単価は、およそ70~100万円とされています。
この価格帯の代表的なハウスメーカーには、積水ハウスやダイワハウスといった、テレビCMなどでもよく目にする企業が含まれます。
30坪の家を建てる場合でも、総費用が3,000万円を超えることが多く、ローコスト住宅と比べると1,000万円程度の差が出る計算です。
大手メーカーは、そのブランド力や先進技術、高品質な素材などにより、信頼性が高く、資産価値も維持されやすいのが特徴です。ここでは、代表的な大手ハウスメーカー3社を紹介します。
積水ハウス
社名 | 積水ハウス株式会社 |
本社住所 | 大阪府大阪市北区大淀中一丁目1番88号 梅田スカイビルタワーイースト |
坪単価 | 75万円~100万円 |
工法 | ダイナミックフレームシステム(鉄骨造) |
オリコン満足度調査 | 3位(2022年) |
ホームページ | https://www.sekisuihouse.co.jp/ |
積水ハウスは、日本を代表するハウスメーカーの一つで、多彩な建築構造が魅力です。
木造、軽量鉄骨、重量鉄骨と、ニーズに応じた様々な構造の住宅を提供しています。
積水ハウスが開発した「ダインコンクリート」は「最強の外壁材」と評され、耐久性や耐火性、メンテナンス性に優れています。
この外壁材を目当てに積水ハウスを選ぶ施主も少なくありません。
初期建築費用は高めですが、メンテナンスコストを抑えられることから、長期的にはコストパフォーマンスが良いとされています。
さらに、積水ハウスブランドは将来的な資産価値の維持にも貢献し、売却時の高値も期待できるでしょう。
一条工務店
社名 | 株式会社一条工務店 |
本社住所 | 東京都江東区木場5-10-10 |
坪単価 | 65~80万円 |
工法 | 木造軸組、木造枠組壁工法 |
オリコン満足度調査 | 5位(2022年) |
ホームページ | https://www.ichijo.co.jp/ |
一条工務店は、高気密・高断熱の住宅づくりで長年の実績があり、特に「i-smart」「i-cube」シリーズが人気を博しています。
デザイン性と快適性を兼ね備えた住宅シリーズで、エネルギー効率も優れていることから、多くの施主に選ばれています。
また、一条工務店は免震構造の戸建て住宅をいち早く取り入れ、耐震性に優れた家づくりも可能です。
業界トップクラスの断熱性能を誇りながらも、大手メーカーと比べて坪単価が安価であるため、コストを抑えつつ快適な住環境を実現できるでしょう。
セキスイハイム
社名 | 積水化学工業株式会社 |
本社住所 | 大阪府大阪市北区西天満2丁目4番4号 堂島関電ビル |
坪単価 | 70万円~90万円 |
工法 | 鉄骨ユニット工法、木造2×6工法 |
オリコン満足度調査 | 8位(2022年) |
ホームページ | http://www.sekisuiheim.com/ |
セキスイハイムは、ユニット工法による住宅建設で知られています。
工場であらかじめ生産されたユニットを現場で組み立てるため、安定した品質が期待でき、工期の短縮も可能です。
この工法により、従来の建築方法に比べて建物の精度が高く、効率よく高品質な住宅を提供できます。
また、セキスイハイムは太陽光発電システムに力を入れており、オール電化住宅やゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を検討している方にとって、選択肢のひとつとして検討したいメーカーです。
光熱費の削減を重視したい方には、太陽光発電やZEH対応のセキスイハイムの住宅がぴったりでしょう。
→ セキスイハイムの間取りや坪単価について詳しくはこちら
快適な家をつくるための間取り見本
同じ30坪の広さでも、一般的な2階建てだけでなく、平屋や3階建てなど多様なスタイルがあります。
ここでは、タイプ別に一般的な30坪の間取り例を紹介しますので、自分たちの理想とするマイホーム像と照らし合わせながら、必要な家の広さやタイプを検討してみてください。
なお、ハウスメーカーによって、同じ「30坪の家」であっても実際の居住感は異なることが多いです。
空間を広く感じるか、あるいは狭く感じるかは設計や間取りに左右されるため、後悔しない家づくりには、カタログや間取りを比較したり、実際の展示場で体感することが大切です。
また、近隣に展示場がない場合は、LIFULL HOME’Sのようなポータルサイトを利用すると、無料でカタログを取り寄せることができます。
カタログを複数取り寄せ、予算や希望に応じて比較することが、家づくりの失敗を防ぐ第一歩です。
2階建ての間取り例
社名 | ゼロキューブ |
商品名 | ゼロキューブ+FUN |
延床面積 | 98.53㎡(29.80坪) |
間取り | 3LDK |
近年、最も一般的な形として多いのが、1階と2階の床面積がほぼ同じ広さの2階建て住宅です。
1階と2階の面積を揃えることで、凹凸がなくシンプルな外観となり、建築費を抑えることができるメリットがあります。
こちらのゼロキューブの商品は規格住宅で、基本の間取りに必要な機能がコンパクトに詰め込まれています。
さらに必要に応じて部屋を増築できる設計なので、ライフスタイルの変化に合わせた住まい方が可能です。
部分2階の間取り例
社名 | アエラホーム |
商品名 | プレスト |
延床面積 | 103.51㎡(31.3坪) |
間取り | 3LDK |
1階と2階の床面積が同じ建物を「総二階」といいますが、こちらのように1階の床面積が広い建物を「部分二階」と呼びます。
部分二階は総二階に比べて少し割高ですが、LDKを広くとりたい人や、2階に多くの部屋が必要でない場合にはおすすめです。
夫婦の主寝室を1階に配置したいと希望する場合も、部分二階にすることで間取りに柔軟性が生まれます。
こちらの間取りでは、生活空間を1階に集中させることで、ゆとりのあるLDKが確保されており、使い勝手の良い設計です。
平屋の間取り例
社名 | レオハウス |
商品名 | レオハウスの平屋 |
延床面積 | 99.37㎡(30.0坪) |
間取り | 4LDK |
30坪の平屋を希望する場合は、敷地の広さが70坪以上あると理想的です。
平屋住宅のメリットは、同じフロアにすべての生活スペースがまとまっているため、家族との繋がりを感じやすくなる点です。
また、将来的に子どもが巣立った際には部屋を趣味スペースとして使ったり、親との同居にも向いている構造です。
また、平屋は階段スペースが不要なので、2階建てよりも広い居住空間を確保できるのが特徴です。
30坪の平屋ならば、4LDKのゆとりある間取りも実現できます。
3階建ての間取り例
社名 | ウィザースホーム |
商品名 | 3LDK+畳コーナー |
延床面積 | 99.26㎡(30.0坪) |
間取り | 4LDK |
3階建て住宅の場合、1階に浴室や洗面所などの水回り、2階をLDK、3階を居室という配置が一般的です。
特に都市部の土地が限られるエリアではこのスタイルが重宝されます。
1階部分に広いLDKを確保しづらい場合でも、階層を分けることで生活動線が確保でき、より使い勝手の良い空間が生まれます。
また、3階建て住宅は平屋や2階建てと比べて階段が2セット必要になるため、間取りをしっかりと計画しないと居住空間が狭くなりやすい点に注意が必要です。
おしゃれでカッコいい家の間取り例
ここまで、比較的オーソドックスな間取り例をご紹介してきましたが、ここからはおしゃれでカッコいい間取り例をご紹介します。
理想のマイホーム像に近いデザインや間取りがないか、ぜひチェックしてみてください。
もしも理想像がまだ具体的でない場合は、地域のハウスメーカーや工務店のカタログを取り寄せてみましょう。
金額別に入手可能なため、自分たちの予算に合うものを気軽に比較できます。
なお、取り寄せる際は、実際の予算よりも「低い」または「高い」価格帯のカタログも確認しておくのがおすすめです。
マイホームで後悔しないためには、しっかりと複数のハウスメーカーや工務店を比較しておくことが大切だからです。
西海岸スタイルのカッコいい家
社名 | スウェーデンハウス |
商品名 | ミューク |
延床面積 | 105.44㎡(31.8坪) |
間取り | 2LDK+畳スペース |
1階はLDKを広く確保するため、浴室や洗面所を2階に設けています。
玄関からはシューズインクローゼットを通り抜けて、パントリーからキッチンへアクセスできる回遊動線が取り入れられ、家事効率もしっかり考えられた設計です。
2階には大容量のウォークインクローゼットがあり、水回りを集約することで「洗う」「干す」「収納する」という家事が同じフロア内で完結できるため、日々の家事負担も軽減されています。
スウェーデンハウスならではの美しい輸入住宅の外観も見どころです。
外観が美しい家
社名 | 住友林業 |
商品名 | 不明 |
延床面積 | 101.44㎡(30.6坪) |
間取り | 3LDK+小屋裏収納 |
30坪ほどの建物で、この外観の美しさには驚きです。
アール形状のファサードが奥行きを生み出し、個性的な印象を与えています。
このような曲線的なデザインは大型の住宅で見られることが多い中、30坪の住宅でここまで美しいアール形状の外観は珍しいです。
室内はシンプルな間取りですが、2階の子ども部屋の上部をロフトではなく小屋裏収納にしているなど、工夫が光ります。
シンプルながらもセンスを感じさせる設計で、空間を無駄なく活かした間取りとなっています。
景観を楽しむ家
社名 | 住友林業 |
商品名 | 不明 |
延床面積 | 91.49㎡(27.6坪) |
間取り | 2LDK+畳コーナー |
この家では景観を楽しむために、あえて2階に浴室を設置しています。
間取りを見る限り、夫婦とペットが暮らす住まいのようです。
お子さんがいる場合、子ども部屋が必要になるため、このような贅沢な間取りは難しいかもしれません。
LDKには景色を最大限に楽しめる特注のコーナー窓が設置され、寝室からも絶景を堪能できるような間取り配置になっています。
眺望を重視する間取りを希望する場合には、営業担当者や設計士に「景観優先」と伝えておくと、スムーズに理想の住まいが形になるでしょう。
中庭のあるおしゃれな平屋
社名 | 大原工務店 |
商品名 | シンフォニー |
延床面積 | 94.81㎡(28.7坪) |
間取り | 3LDK+畳コーナー |
平屋住宅を建てる多くの施主が広めの庭や中庭を希望する傾向があります。
しかし広めの庭や中庭を実現するためには、広い敷地が必要で、建物面積も大きくなりがちです。
こちらの平屋は、30坪ほどの建物でも立派な中庭を確保している好例です。
中庭に接してお風呂や洗面室を配置するのが一般的ですが、こちらの物件では動線に工夫を加え、中庭のスペースをしっかり確保しています。
限られた面積でも工夫次第で中庭があるおしゃれな平屋を実現できる、良いお手本のような間取りです。
間取りで失敗しないための注意点
このブロックでは、30坪の家づくりでよくある失敗や、注意すべきポイントについて詳しくご紹介します。
家づくりで後悔しないための参考にしていただければと思います。
奥行きが狭い横長の間取り
土地を探す際は、間口が広く道路に接している土地を選ぶことをおすすめします。
間口が狭く奥行きのある土地は、駐車場の確保が難しく、間取りの制約が多くなってしまうからです。
また、土地の奥行きにも注意が必要です。建物をゆとりある広さにするには、奥行きが最低でも9メートルは欲しいところです。
奥行き9メートルあれば、隣家との距離を1.5メートル確保したとしても、建物部分の奥行きを約5.5メートル確保できます。
しかし、奥行きが8メートル程度だと建物部分の奥行きは4.5メートルほどに狭まるため、間取りの配置がかなり難しくなります。
このような間取りの制約は、横長の土地、縦長の土地どちらにも共通する問題ですので、土地選びの段階で注意が必要です。
ローコスト住宅での吹き抜けに注意
吹き抜けのある間取りはおしゃれですが、冷暖房の効率を考えると注意が必要です。
高気密・高断熱の住宅であれば、吹き抜けやリビング階段があっても冷暖房効率を損ないませんが、ローコスト住宅では気密性が低めのケースも多く見られます。
気密性が低い家では、吹き抜け部分から冷暖房の空気が逃げやすく、冷暖房効率が悪くなりがちです。
吹き抜けを取り入れる際には、住宅の気密性能も十分に確認しておきましょう。
動線が悪いランドリールームの配置
家事動線の悪さも、間取りでよくある失敗です。
キッチンと浴室、ランドリールームの距離が遠くなると、家事を行う際に無駄な移動が増え、毎日の負担になってしまいます。
特にランドリールームを希望される方は、間取り全体のバランスを考慮して配置しましょう。
動線を意識していない間取りは、建物全体の使い勝手を悪くする原因にもなります。
ランドリールームや浴室などの水回りは、なるべく短い移動距離で行き来できる位置に配置するのが理想です。
よくある質問
30坪の注文住宅に関して、今回紹介しきれなかった部分や、インターネットでよく質問されている内容をまとめてみました。
吹き抜けは床面積に入るの?
吹き抜け部分は床がないため、建築基準法上の床面積には含まれません。
これは容積率に関係し、家の大きさを決める際に大事な要素です。
ただし、建築費に関しては吹き抜け部分にも費用がかかります。
多くの住宅会社では、吹き抜け部分も床があると仮定して坪単価に含めるケースが一般的です。
床があるのと同じ金額がかかることもあれば、住宅会社によっては坪単価の2分の1で計算することもあります。
リビング部分の上部8畳分を吹き抜けにした場合、まるまる床面積と同等の坪単価が発生するのであれば坪単価×4坪になります。
坪単価70万円だとするなら、280万円の費用がかかります。もし2分の1で計算する住宅会社であれば半分の140万円で済みます。
この差は大きいので、建物の請負契約をする前にしっかりと確認しておきましょう。
30坪の家を建てるには30坪の土地が必要?
土地には建ぺい率と容積率があり、30坪の家を建てる場合でも必ずしも30坪の土地が必要というわけではありません。
多くの土地は建ぺい率が60%で、容積率が200%と設定されています。そのため、30坪の2階建て住宅を建てるなら、土地の広さは約25坪ほどあれば可能です。
25坪×60%=15坪
1階15坪、2階15坪で合わせて30坪の家を建てることができます。
ただし、隣地との距離や駐車場スペースを考慮すると、30坪以上の土地が望ましいです。
一般的には、30坪の家には30~35坪程度の土地が適しているでしょう。
ちなみに50坪の土地であれば、建ぺい率60%と80%の違いは以下のようになります。
3人家族に最適な家の広さは?
国土交通省の「住生活基本計画」によると、理想的な住宅の広さは一人あたり約25㎡が基準とされています。
この基準で3人家族の場合、計算式は「25㎡×3人+25㎡」となり、合計で100㎡(約30坪)が適した広さになります。
ちなみに4人家族だと125㎡なので、家の大きさは37.81坪くらいが理想の広さです。
30坪の家で失敗しないためのポイント
30坪程度の限られた広さでは、すべての希望を叶えるのは難しいことが多いです。
そのため、事前に希望の優先順位をしっかりと決めておくことが大切です。
例えば、LDKの広さを重視するのか、動線を重視するのか、または収納スペースを多く確保したいのかなど、家族でしっかりと話し合ってみましょう。
まとめ
今回は、30坪の注文住宅における間取りの注意点や、よくある質問について詳しく解説しました。
同じ30坪の家でも、建てるハウスメーカーや工務店によっては1,000万円以上の価格差が出ることもあります。
家づくりで後悔しないためにも、カタログを見比べてできるだけ多くの情報を集め、慎重に検討することが大切です。
また、予算を抑えるためには、建物の形がシンプルな間取りを考えることがポイントです。
たとえばスキップフロアやランドリースペース、書斎などの要望がある場合、家の形が複雑になる分だけ建築費が高くなる傾向にあります。
どうしても譲れないこだわりがある場合は、その部分を得意とするハウスメーカーや工務店を探すと、効率的に希望を叶えられるでしょう。